「きっと一生に一度の経験」綾瀬はるか 「八重の桜」に懸ける思い

[ 2013年1月6日 12:15 ]

大河ドラマ「八重の桜」で主人公・新島八重を演じる綾瀬はるか

 綾瀬はるか(27)主演のNHK大河ドラマ「八重の桜」(日曜後8・00)が6日、スタートする。男装して銃を手に戦い「幕末のジャンヌ・ダルク」とも呼ばれる女性を、平成を代表する“天然派”女優がどう演じるのか。「私がボケているのは確かに事実です」と自ら認める綾瀬に意気込みを聞いた。

 主人公の新島八重の第一印象を綾瀬に尋ねると「しゃべらない人」という不思議な答えが返ってきた。どうしてそう思ったのか聞いてみると「写真を見たので。でも写真だから、八重さんが無口なのもしようがないですね」と恥ずかしそうに笑った。評判通りの“天然キャラ”に、こちらもつられて大笑いだ。

 “天然”は今や綾瀬の代名詞。本人はどう思っているのか。一瞬、間を置いて返ってきた答えは「天然かどうかは分かりません。でもボケているのは事実です」。

 大真面目な表情と、その話す内容のギャップがまた愉快。どんな質問にも真剣に答えようとする真摯(しんし)な姿勢。いちずで純粋な彼女の魅力が詰まっていた。

 撮影に入った感想を聞くと「銃は重くて、少し持っただけで手がプルプルしました。私がその時代に生きていたら、波に任せて生きているんじゃないかな」と苦笑い。おっとりとした語り口は、激動の時代を生きたパワフルな八重のイメージとはほど遠い。でも「共通点は多い」という。「私も実は負けず嫌い。小さなころは、八重さんのように男の子と競い合っていた。こうと思えば、とことんまで突き詰める部分もあります」

 八重に感化されたところもある。「負けず嫌いの自分が今まではあまり好きじゃなかった。でも人がなんと言おうと、思いを貫き通す人はステキですね。それも魅力の一つになる。私も八重さんに近づきたいと思うようになりました」

 ほんわかとしたかれんさが綾瀬の何よりの魅力。八重のように強い自己主張で周囲を引っ張るエネルギッシュな女性に今さらならなくてもいいと個人的には思うが、彼女ならきっとうまく変わっていくとも思う。「自分だけで何かをできるわけでもない。貫き方もいろいろある。八重さんは強さがありつつ柔軟で、傲慢(ごうまん)なだけじゃない」と主人公の魅力を明かした。

 大河ドラマは、1人の人間の一生を1年にわたって描く。11~86歳を演じることに「年を重ね、人柄が変わっていくのをどう演じるのかは難しそう」と言いながらも、表情は明るい。自然と自身の未来も考える。結婚生活にも思いをはせ「悪妻じゃないけど、私は旦那さんに“こういうの食べなきゃダメじゃん”とか言っちゃいそう。きっと、うるさいとか思われるんでしょうね」と笑った。

 「大河主演はきっと一生に一度の経験。全ての撮影を終えたとき、今までと違う感情が自分の中に出てくるんでしょうね」と目を輝かせた。女優として女性として、綾瀬がどう成長していくのかドラマの展開とともに楽しみだ。

 ◆綾瀬 はるか(あやせ・はるか)1985年(昭60)3月24日、広島県生まれの27歳。00年ホリプロタレントスカウトキャラバン審査員特別賞。04年TBSドラマ「世界の中心で、愛をさけぶ」でゴールデンアロー賞新人賞を受賞。映画は08年「僕の彼女はサイボーグ」「ICHI」、09年「おっぱいバレー」、12年「ホタルノヒカリ」などに主演。NHK大河は今作が初出演。1メートル65、血液型B。

 ▽「八重の桜」 会津藩の砲術師範の娘として生まれた山本八重の生涯を描く。戊辰(ぼしん)戦争で銃を持って戦い、日清・日露戦争に篤志看護婦として同行。同志社大の創始者・新島襄と結婚した。男勝りの行動力と意志の強さは、周囲に勝手気ままと取られ「天下の悪妻」とも呼ばれた。新島襄役をオダギリジョー、兄の覚馬役を西島秀俊、最初の夫・川崎尚之助を長谷川博己が演じる。

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2013年1月6日のニュース