勘三郎さんの長男勘九郎が口上「父のことを忘れないでください」

[ 2012年12月5日 19:19 ]

南座の「吉例顔見世興行」で口上を述べる中村勘三郎さんの長男勘九郎(右)と次男七之助

中村勘三郎さん死去

 5日死去した歌舞伎俳優中村勘三郎さんの長男勘九郎が同日夜、京都・南座で行われている「吉例顔見世興行」の口上で「父のことを忘れないでください」などと述べ、弟で次男の七之助とともに温かい拍手を浴びた。

 勘九郎の襲名披露の場でもある今年の顔見世。普段は冗談も飛び出す口上も、坂田藤十郎が「胸の張り裂ける思いです」と沈痛に口火を切った。昼の部を堂々と演じきった兄弟も声を詰まらせ、七之助が自分の手を、兄の手にそっと重ねる場面も。

 最後に勘九郎が「頼もしい弟と一門で切磋琢磨し、父が言っていた『お客様を笑顔にする芝居』を目指すことを約束します」と力強く述べた。

 出番を終えた勘九郎さんは七之助さんとともに会見。4日の公演終了後に「ちょっと様子を見に行くか」と東京の病院を訪れると、すでに話せない状態だったと明かした。掛けたい言葉は、と問われ、「せっかちすぎるでしょ」と寂しそうに笑った。

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