石川さゆり「天城越え」で紅白“最多歌唱”記録越えだ!

[ 2012年6月10日 06:00 ]

香川・小豆島に建立された作詞家・吉岡治さんの顕彰碑の除幕式に参加した石川さゆり(右)と岩本公水

 「天城越え」「真赤な太陽」などの作品で知られ、2010年に他界した作詞家吉岡治さん(享年76)の功績を称える顕彰碑の除幕式が9日、香川県の小豆島で開かれた。式典には「天城越え」の歌手石川さゆり(54)が出席。同曲はNHK「紅白歌合戦」で計7回歌われてきた名曲。石川は「そこ(紅白記録)にこだわりはない」と言うものの「思いをもって歌い続けていきたい」と誓った。

 式典は梅雨の合間の好天の中で開かれた。吉岡さんの家族や石川らが除幕すると、生前の言葉が刻まれた石碑がお披露目された。

 吉岡さんは95年から5年間、同島で島おこしを目的とした新人歌手の登竜門イベント「演歌ルネッサンス」を開催。三回忌を迎えた今年、島側が後世に吉岡さんの功績を伝えたいと建立を決めた。顕彰碑の場所は吉岡さんが作詞し、石川が歌った「波止場しぐれ」(85年)の舞台となった土庄港。発売時にも訪れた石川は「27年前に植樹したオリーブの木が成長していて、月日の流れを感じました。顕彰碑が島おこしにつながればうれしい」と話した。

 吉岡さんは石川にシングル盤だけで33曲を提供。中でも「天城越え」は、昨年の「年間カラオケリクエストランキング」(第一興商)で数々のポップスのヒット曲が並ぶ中、いまだに16位にランクイン。「昭和歌謡曲カラオケランキング」(同)でも3年連続1位で、若者にも浸透した演歌のスタンダードナンバーとして不動の人気を誇る。

 だが、これだけの名曲にもかかわらず、大きな音楽賞の受賞歴など“記録”とは縁遠い。そこで期待がかかるのが、紅白での「最多歌唱曲」の新記録。現在は中村美律子「河内おとこ節」の8回が最多で「天城越え」はこれに次ぐ7回。

 石川自身は「記録にこだわりはない」と言い、今年も出場となれば新曲「浜唄」を歌いたいとの思いが強い。今年はデビュー40年目の節目で、吉岡さんの顕彰碑完成のタイミングでもあり「天城越え」を歌うことになる可能性は十分。石川も「紅白で7回歌っていることは知っている。とにかく私は(先生への)思いをもって歌い続けていきたい、それだけです」と後世に恩師の名曲を歌い残すことを誓った。

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2012年6月10日のニュース