吉本「笑いの輸出」加速 国内での先細り懸念 米国、アジアで新事業

[ 2012年1月16日 16:30 ]

 4月で創業100周年を迎える吉本興業(大阪市)が、海外展開を本格化している。米国や中国、韓国でテレビ番組を制作。台湾では大型イベントを開き、日本企業のPRも手掛ける。

 東日本大震災の影響などで経営環境が厳しく、将来的にも少子化で市場の先細りが予想される中、海外への「笑いの輸出」を加速し、収益基盤の拡大を図る。

 中国では、2009年から定期公演を始めた「上海吉本新喜劇」が好評で、11年は計約2万6000人を集めた。吉本の大崎洋社長は「20年かけて現地の人脈が広がり、メディアを通じて知名度も上がってきた」と手応えを示す。大手メディアグループ「SMG」とドラマを制作し、タレントの育成事業にも乗り出す。

 韓流スター主演のドラマ制作など韓国での事業も強化。現地でも人気のある日本の番組「ロンドンハーツ」をインターネットで有料配信するサービスも始めた。

 台湾では今年4月、若い女性を中心に約8000人の参加を見込むファッションイベント「最強美少女祭」を開催。日本の特産品のPRや、現地に進出する企業の宣伝を支援する事業も展開する。

 米国では、提携する最大手のタレント会社「CAA」と、バラエティー番組を世界市場向けに制作・販売。有名コメディアンを輩出した米国の人気劇団「セカンドシティ」と協力してコメディー学校を日本につくり「笑いの輸入」も試みる。

 一方、国内事業は、震災後の観客数減少などで「品川よしもとプリンスシアター」(東京)と「京橋花月」(大阪市)が昨年11月末に閉館。メーン劇場の「なんばグランド花月」(同)は改装し、てこ入れを図る。

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2012年1月16日のニュース