カンヌ映画祭“ヒトラー擁護”のトリアー監督を追放

[ 2011年5月19日 21:43 ]

 フランス南部で開催中のカンヌ国際映画祭の事務局は19日、記者会見でナチスのヒトラーに「共感を覚える」などと発言したデンマーク人のラース・フォン・トリアー監督を「(映画祭にとり)好ましからざる人物」と宣言し、事実上追放する声明を発表した。

 コンペティション部門に出品された同監督の作品「メランコリア」は審査から除外しないが、何らかの賞を受賞しても同監督を授賞式には招待しないという。

 トリアー監督は18日の記者会見で「私は(ヒトラーという)人物を理解している。幾分共感も覚える」と発言し波紋を広げた。その後、事務局に発言の説明を求められ「私は反ユダヤ主義者でも人種差別主義者でもない」と釈明していた。

 事務局は声明で「カンヌ映画祭は表現の自由擁護の場だが、トリアー監督の発言には深い遺憾の念を覚える。発言は許し難く、堪え難い。人間性の理想に反するものだ」と強く非難した。(共同)

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2011年5月19日のニュース