無言の帰宅…松平健、愛妻に10時間寄り添い

[ 2010年11月18日 06:00 ]

福岡・博多座の公演に向かうため自宅を出る松平健

 俳優の松平健(56)の妻で15日に自殺した元女優松本友里(本名鈴木友里子)さんの遺体が17日、東京都目黒区の自宅に戻った。前夜に座長を務める福岡・博多座の公演から帰京した松平は愛妻の亡きがらに約10時間寄り添い、再び福岡へ向けて空路出発した。悲しい別れにも、報道陣には涙を見せず「ありがとうございました」と頭を下げた。

 博多座の休演日。松平は愛妻との別れの時間を静かに過ごした。
 自宅に友里子さんの遺体を納めた棺が到着したのは午前7時。松平は夕方に羽田空港へ向かうタクシーに乗るまで家から一歩も出ず、無言の妻に言葉を掛け、ほおをやさしく撫でていたという。
 午後5時に友里子さんの棺が自宅から都内の安置場所へと運び出された後は、18日からの座長公演に備えて準備。出発時に報道陣に「すみません。どうもありがとうございます」と穏やかな表情であいさつすると、羽田空港へ向かった。
 05年10月の結婚時から友里子さんへの愛は深かった。元タカラジェンヌの母、和歌鈴子さん(享年71)の介護をしていた友里子さんに松平は「2人の面倒をみる」とプロポーズ。和歌さんの車いすの移動が楽になるようにと約500万円でエスカレーターをプレゼントする優しさを見せた。その姿勢は結婚後も変わらず、友里子さんが3年前からパニック障害、不眠症、うつ状態に苦しむようになってからも正面から受け止めた。
 今年4月、4歳の長男が有名私立幼稚園に入園した時、友里子さんに笑顔が戻ったが、6月に和歌さんが他界してからはそのショックでほとんど外出しないようになり、長男を送り迎えする姿も見られなくなった。幼稚園の行事にも顔を出さなくなった友里子さんに代わって、松平は仕事の合間を縫って出席。同じ幼稚園に子供が通う父母は「先月10日にあった運動会が印象的でした。子供の晴れ舞台なのに友里子さんの姿はなく、松平さんがビデオを回しながらお子さんを応援していました」と話した。
 友里子さんは以前にも自殺を図ったことがあったという。ベビーシッターが泊まり込んでいたことについて、周囲は「子供だけでなく、友里子さんに何かあったらと松平さんが頼んでいたようです」と話している。
 葬儀は公演終了後の12月。所属事務所は「荼毘(だび)に付すのも12月に入ってから」と説明。遺体は別の場所で安置することになっており、近くの斎場は「いまは3週間以上でも安置できます」と話している。

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