押尾被告身代わり懇願は“深刻さを認識”

[ 2010年9月7日 06:00 ]

 【押尾被告第2回公判】証人として出廷した元マネジャーらは、押尾被告が罪を逃れるために身代わりを立てようとしたことを証言。この日の公判は、裁判員に押尾被告の身勝手さを印象付けようとの検察サイドの戦略が見え隠れするものだった。

 元東京地検公安部長の若狭勝弁護士は「ただちに保護責任者遺棄致死での有罪に直結するわけではない」と指摘。保護責任者遺棄致死は、死に至る前に何をすべきだったか、何をしたかが問題。「死んだ後に何かを画策したとしても、直接的に関係してくるわけではない」と話す。ただ「裁判員が、押尾被告の話は信用できないという印象を持ったことは確か」と、今後の押尾被告の発言内容への判断に影響を及ぼす可能性があるとした。
 元東京地検検事の大澤孝征弁護士は「アリバイ工作をしようとしたということは、事態の深刻さを認識していた、ということ」と話す。押尾被告をかばうべき立場だった元マネジャーらの“衝撃証言”は被告側に不利。「弁護側は今後、当時の押尾被告とマネジャーの関係が良好で、意思疎通がしっかりはかれていたかなどを突く作戦に出るのではないか」と予想。若狭弁護士と同様、争点はあくまで「救命の可能性についての科学的な裏付け」とし、救急隊員や救命医師らが出廷する9日の公判が鍵とした。

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2010年9月7日のニュース