[ 2010年7月11日 06:00 ]

PMF芸術監督に就任したファビオ・ルイジ

 今年からイタリア出身の指揮者ファビオ・ルイジが芸術監督に就任。オペラとコンサートの両面で活躍するルイジらしい趣向が凝らされたプログラミングとなっている。そのひとつが7月24日、25日に札幌コンサートホールで行われる演奏会形式のオペラ上演。PMFでオペラを取り上げるのは96年以来のこと。演目はプッチーニの名作「ラ・ボエーム」(全4幕イタリア語上演、日本語字幕付)で、オーディションで選ばれた若手歌手らがロドルフォやミミなどの主要キャストを演じる。今春までドイツ・ザクセン州立歌劇場(ドレスデン国立歌劇場)の音楽監督を務め、今秋からはニューヨーク・メトロポリタン歌劇場の首席客演指揮者に、さらに12年からはチューリヒ歌劇場の音楽総監督にも就任予定のルイジは、誰もが認める現代オペラ界の中心人物のひとり。歌手の呼吸感を尊重しながらも、巧みなオーケストラ・コントロールでしなやかな音楽を生み出しドラマを盛り上げていくその手腕は、他の追随を許さぬ卓越したもの。作品そのものはだけでなく上演に関する実務にも精通しているルイジが、若い音楽家たちに何を伝え、それが実際の音にどう反映されていくのか。こうした点に注意しながら演奏に耳を傾けるのも教育音楽祭ならではの楽しみのひとつと言えるだろう。

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2010年7月11日のニュース