主水死なず…次世代が“仕事人魂”継承へ

[ 2010年5月18日 06:00 ]

 2月に死去した藤田まことさん(享年76)が主演していた必殺シリーズのスペシャルドラマ「必殺仕事人2010」(テレビ朝日、7月10日後9・00)の制作発表が17日、東京・六本木の同局で行われた。藤田さん演じた中村主水(もんど)は生き続けることが決定。「少年隊」の東山紀之(43)らが演じる仲間に置き手紙を残し、姿を消す設定になる。

 主水に扮した藤田さんの遺影が飾られたステージ上での会見。必殺シリーズのテーマ曲が流れる中、東山や「TOKIO」の松岡昌宏(33)、和久井映見(39)ら出演者が黒じゅうたんの上を歩いて登壇。遺影に静かに花を供えた。
 撮影前に藤田さんが亡くなり、制作は一時中断したが、事務所や遺族からの後押しで再開。4月半ばに撮影を終えた。東山は、制作するべきか悩んだことを明かし「藤田さんに見ていただいて恥ずかしくないよう作ってきました」とあいさつ。和久井は「出演者やスタッフの中に藤田さんの存在が大切にある」と声を震わせ、松岡は「自分の作品をすべて終えてから旅立たれた。藤田さん自身が仕事人だった」と故人を称えた。
 ドラマの中では主水が仲間たちに後を託して姿を消すことになった。「KAT―TUN」の田中聖(24)演じる仕立て屋の匳(れん)が家を訪ねると、主水は置き手紙を残しているという設定。手紙を読んだ若い仲間たちが「後を頼む」というメッセージをくみ取り、仕事人魂を継いでいくことになる。
 主水の行き先は明らかにされないものの、制作の朝日放送は「死ぬということはない」と明言。藤田さんは天国に旅立っても、主水は死なずだ。
 藤田さんの名前は取材陣に配られたキャスト欄の最後に入っており、関係者によると、過去の映像を使って劇中にも登場するという。東山演じる渡辺小五郎の妻が妊娠する物語もあり、東山は「命というものをあらためて感じる作品になりました」と話した。

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2010年5月18日のニュース