「滝沢歌舞伎」大幅リニュアル!一転、反逆武将に

[ 2010年2月23日 06:00 ]

 滝沢秀明(27)が22日、都内で主演舞台「滝沢歌舞伎」(日生劇場、4月4日~5月8日)の製作発表を行った。昨年までの「滝沢演舞城」(新橋演舞場)では源氏の源義経を演じてきたが、今年は平安時代中期に活躍した平氏の平将門に挑戦。カリスマ的な反逆者で、無念の最期を遂げた怨霊(おんりょう)神としても知られる将門をどう演じるか注目される。

 滝沢は悲劇のヒーローとされる義経から一転、反逆者のイメージが強い将門を選んだ理由について「180度異なるキャラクターを演じることで新たな挑戦をしたかった」と説明。本作では演出も兼任することから「資料を読み、自分なりの解釈で将門像を作り上げたい」と意気込んだ。
 将門と言えば朝廷に反旗を翻し、一時は関東に“独立国家”を築いた武将。朝敵として討たれた後も、京都でさらされた首が東に飛び、東京・大手町に落ちたなどの伝説が数多く残り、映画「帝都物語」では東京を破壊する力を持つ怨霊として描かれた。
 ただ、主人公に据えた物語は珍しく、関係者によると、歌舞伎では将門の人生を描いた演目は残っていない。ドラマでも加藤剛(72)が主演した1976年の大河「風と雲と虹と」がある程度。舞台製作などに携わる関係者は「上演前に必ずお祓(はら)いするように、製作現場はたたりや縁起といったものを重視する。怨霊神を扱うテーマが敬遠されてきたのでは」と話す。本作でも出演者やスタッフによるお祓いのほか、劇場近くの大手町にある「将門の首塚」へのお参りも検討されるという。
 劇中では勇猛果敢な一方で、将門の女性や子供でも容赦しない非情な一面も描かれる。滝沢は大河ドラマ「義経」など美少年、美形を生かしたクールな青年やヒーローがはまり役。荒々しい悪役は初挑戦で「なぜ、将門がそういう人生を歩んだのか、男の生きざまとして描きたい」と抱負。劇場変更に伴う内容のリニューアルについては「今まで作り続けた世界観を引き継ぎながら、自分なりの滝沢歌舞伎を作りたい。半分以上は新しくなる」と強調した。

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2010年2月23日のニュース