ムコ殿さようなら…三田村「僕の希望の星」

[ 2010年2月19日 06:00 ]

 【藤田まことさん死去】数々の名キャラクターを残し、この世を去った藤田まことさん。テレビ朝日系「必殺シリーズ」では31シリーズ中、16シリーズで町奉公・中村主水を好演。共演した三田村邦彦(56)は死去した17日に大阪の自宅で悲しみの対面。京本政樹(51)は18日、目に涙を浮かべながら思い出を語った。17年間にわたって主演した同局の刑事ドラマ「はぐれ刑事純情派」の仲間たちにも衝撃が広がった。

 中村主水は、シリーズの原案となった池波正太郎氏の小説にはない架空の人物。“万年ヒラ侍”で、家では肩身の狭い婿養子を藤田さんは哀愁たっぷりに演じた。
 そんな名優の死は、ともに“闇の仕事”をしてきた共演者たちに衝撃をもたらした。かんざしを武器にする「飾り職人の秀」を演じた三田村は17日、仕事の合間を縫って藤田さんの大阪の自宅に駆けつけ、悲しみの対面。「俳優として人間として本当に素晴らしい方でした。僕の希望の星でした。ただ無念、残念で仕方がありません」と文書で心境を公表した。昨年11月末に会ったのが最後。12月末に電話で話す機会があり「元気だよ。今度飯でも食いに行こうな」と誘われ、容体が安定していると安心していた矢先のことだった。
 「組紐(ひも)屋の竜」こと京本は、仕事先の東京・渋谷のNHKで報道陣に対応。「きょうのような日が来ないことを祈っていた」と言葉を詰まらせた。10日ほど前、藤田さんが京都の「必殺」撮影現場を訪れ「3月には復帰できるよ」とスタッフに声をかけたという話を聞き、三田村同様、楽観視していた。「三田村さんと“僕たちの成長した姿を見てもらいたいね”と話していた。僕には師匠であり、父親です」と天を仰いだ。
 主水を「ムコ殿」と呼び徹底的にいびった姑(しゅうと)役の菅井きん(83)、姑とタッグでいじめ抜いた嫁役の白木万理(72)も、悲しみに打ちひしがれた。菅井は一昨年のスペシャルドラマで共演。「病院から退院されたばかりでしたが“お互い体をいといましょう”と私の体の心配をしてくださいました」と周囲へ気を配る藤田さんの優しい一面を明かした。白木は“愛する夫”の急死に「あまりにも思い出があり過ぎて言葉では言い表せません」と関係者を通じコメントするのが精いっぱいだった。

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2010年2月19日のニュース