寄付金保管は「虚偽」黒沢明財団、伊万里市に陳謝

[ 2010年2月19日 13:29 ]

 佐賀県伊万里市に「黒沢明記念館」を建設するため設立された「黒沢明文化振興財団」が、寄付金管理のずさんさを指摘されている問題で、同財団の黒沢久雄理事長と田畑稔常務理事が19日、同市議会の全員協議会で事情説明した。

 財団は昨年11月、建設資金などに充てるため集めた寄付金約3億8000万円を保管していると、市に報告したが、全員協議会で田畑常務理事は「虚偽を報告した。申し訳なかった」と陳謝した。
 財団が県に提出した2007年度の決算報告書で、財団には預金などの流動資産が約143万円しかなかったと判明したことに関連し、黒沢理事長は「寄付金のうち(仮施設の)サテライトスタジオを造るのに2億円ちょっとかかった」と説明。記者会見で「悪いことはしていないが管理責任として申し訳ない」と語った。
 黒沢明監督は生前、映画「乱」の撮影で訪れた伊万里市を気に入り、記念館の希望地に選んだ。当初は01年にオープン予定だったが、資金集めが難航し、サテライトスタジオだけ開設。市は財団支援のため、これまで約3億5000万円を支出している。

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2010年2月19日のニュース