[ 2010年1月16日 06:00 ]

読売日本交響楽団とのベートーヴェン・チクルスで引き締まった音を作り上げたオスモ・ヴァンスカ

一方、ベートーヴェンの楽譜の隅々までも赤裸々に描き出したのが、オスモ・ヴァンスカ指揮、読売日本交響楽団の第9でした。私が聴いたのは東京芸術劇場で行われた初日(12月21日)の公演です。ヴァンスカは徹底したこだわりを感じさせる音楽作りで、読響を見事に統率。各パートがまるで1枚の旗のようになり、彼の指揮棒に合わせてはためいているように感じられました。楽器ごとにくっきりと浮かびあがってくるサウンド。それらが、折り重なって音楽全体が立体的に聴こえるのです。第4楽章の冒頭では、枯れた大地から少しずつ大きな太陽が昇って来て、広がっていく透明な光が見えるようでした。

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2010年1月16日のニュース