「地上波で日本ドラマ解禁」韓国文化相は前向きだが…

[ 2010年1月7日 18:31 ]

 地上波での日本のテレビドラマ放映が禁じられている韓国で、柳仁村文化体育観光相が解禁に前向きな姿勢を示し、注目を集めている。

 柳氏は韓国紙、朝鮮日報とのインタビューで「日本と中国では(地上波で)韓国ドラマを放映しているのに、なぜ韓国の地上波では日本ドラマが見られないのか」と発言。「押しつけるだけではなく、互いに与え合わなくてはならない」とし、地上波解禁は必要との認識を示した。
 韓国では、植民地支配への反発などから、映画や音楽など日本の大衆文化流入が禁止されていたが、1998年から段階的に開放。日本ドラマはケーブルテレビや衛星放送で視聴でき、人気を博しているが、地上波での放映は依然として認められていない。
 一方で、人気ドラマのリメーク版や日韓共同の作品が相次いで製作され、地上波で放映。KBSテレビが昨年放映した「花より男子」(邦題・同)は、視聴率が30%を超す人気となったほか、今月からは「勉強の神」(邦題「ドラゴン桜」)がスタートしている。
 日本ドラマの地上波解禁について、テレビ局関係者(45)は「(柳氏の)発言は対日関係を意識してのことだろうが、出演者がすべて日本人の作品が、視聴者に受け入れられるとは思えない」と疑問を投げ掛ける。
 一方、公務員の男性(32)は「インターネットで日本のドラマをダウンロードし、毎日見て日本語を勉強している。地上波で禁止されているのは現実離れしており、早く解禁してほしい」と話した。

 ◆日本の大衆文化開放 韓国では日本の植民地支配への反発などから長年、日本の大衆文化流入を禁止していたが、日本との関係改善を目指した金大中政権が1998年10月から3次にわたる段階的開放を実施。当初は2002年のサッカー・ワールドカップ(W杯)までに全面開放する方針だったが、01年7月に歴史教科書問題のために中断した。盧武鉉政権も03年9月に第4次開放を発表、04年1月から日本語歌曲のCD販売が解禁。ケーブルテレビや衛星放送ではテレビドラマなども開放されたが、地上波での放映は見送られている。(共同)

続きを表示

2010年1月7日のニュース