長嶋さん感謝!裕次郎さんにささげる熱唱

[ 2009年7月18日 06:00 ]

エンディングで登壇し、「わが人生に悔いはなし」を熱唱する(左から)渡哲也、長嶋茂雄氏、石原まき子さん

 ミスターが歌声を披露した。87年に肝細胞がんのため亡くなった昭和の大スター、石原裕次郎さん(享年52)の命日にあたる17日、石原プロモーションが「感謝の夕べ」と出した会を東京・紀尾井町のホテルニューオータニで開き、巨人の長嶋茂雄終身名誉監督(73)ら332人が出席。長嶋氏は壇上で、裕次郎さんのヒット曲「わが人生に悔いなし」を歌った後「ありがとう!」と力強く声を張り上げた。

 誰もが予想し得ない行動だった。約2時間半にわたった会のフィナーレ。亡くなる3カ月前の87年4月発売の曲「わが人生に悔いなし」(作詞なかにし礼氏)の合唱で締めようと、作曲者の加藤登紀子(65)、妻の石原まき子さん(75)、俳優の渡哲也(67)らが壇上に並んだ。長嶋氏も長男の長嶋一茂氏(43)に付き添われて登壇。裕次郎さんの遺影を背に
 ♪夢だろうと、現実(うつつ)だろうと、わが~人生に悔いはない…。会場に声を響かせると拍手がわき起こった。
 壇上に立ったのは渡の招きによるものだったが、マイクを握って歌うなど04年に脳梗塞(こうそく)で倒れて以来初めてのこと。一茂氏も「思ってもみなかった。父の歌声なんて聞いたことがなかったですから」と驚いた。現役時代から予想できないパフォーマンスでファンやマスコミをあっと言わせてきたミスター。亡き友へ、熱き心が体を突き動かさせたようで一茂氏は「裕次郎さんへの思いがそうさせたんだと思う」と話した。
 芸能界と球界で昭和を代表する大スターだった2人は、慶大と立大の学生時代からの付き合いだった。裕次郎さんは「シゲ」と弟分のようにかわいがり、ミスターも「裕さん」と呼び慕った。石原プロの小林正彦専務(73)によると、長嶋氏がプロ入りする際も裕次郎さんは「どこの球団に入るかのアドバイスもしたんだ」という。
 この日、司会を務めた徳光和夫氏(68)が「裕次郎さんに一言」と水を向けると「うーん。まあ。たくさんあり過ぎる…」といったん言葉を切った後「だから…ありがとーう!」と声を張り上げた。スーパースターがスーパースターにささげた言葉に300人を超える会場は大拍手。いつもは「シゲちゃん」と呼ぶまき子さんや渡は思わず「ありがとうございます」と頭を下げた。
 今回の出席は長嶋氏側から強い意思表示があったもので、小林専務によると、ミスターは毎年のように7月17日の命日は東京・成城の裕次郎さんの自宅に足を運んでおり、それは04年に倒れてからも続いているという。「だから病気になった時、まき子さんはじめ、みんなで本当に心配したんだ」と小林専務はしみじみ語り「きょう(17日)はお芝居でも何でもない。自然に出てきた“ありがとう”は本当にありがたかった」と語った。
 石原プロモーション仕切る法要は「これで最後」とする二十三回忌。オーラスまで裕次郎さんらしいビッグなサプライズがついた。

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2009年7月18日のニュース