“制服の魔術師”藤岡静香ら「カワイイ大使」活動本格化

[ 2009年4月27日 08:55 ]

外務省の「カワイイ大使」に任命された藤岡静香さん

 外務省が日本の若者文化を海外に幅広く紹介するために任命した女性3人の「ポップカルチャー発信使」(通称カワイイ大使)が活動を本格化させている。女子高生の制服風ファッションをリードし「制服コーディネートの魔術師」と呼ばれるタレントの藤岡静香(19)はタイでのイベントに参加した。ほかの2人も7月にパリへ向かう。

 藤岡はタイの首都バンコクで3月に開かれた「ジャパン・フェスタ」に制服姿で登場し、着こなし術を伝授。来場した若いタイ女性から「制服はとてもカワイイ。日本に行ってみたい」と声を掛けられた。現地では日本の学園アニメを通じて制服人気が広がっており、会場の最前列にはカメラマンらが陣取るなどメディアの関心の高さもうかがわせた。
 パリで7月2―5日に開催される「ジャパン・エキスポ」には、少女趣味を強調したロリータ系ファッションのモデル青木美沙子さんと、東京・原宿の若者に多い古着の重ね着で知られるボーカリスト木村優さんの2大使が派遣される予定だ。
 フランスでも日本のアニメ、コスプレに夢中となる若者が多い。今回のジャパン・エキスポには昨年の十数万人を上回る来場を見込む。
 外務省は、日本への親しみやすさの向上を目指し、歌舞伎や能などの伝統文化・芸能を通じた交流事業を進めてきた。さらに漫画、アニメなどの日本のポップカルチャーが世界の若者の支持を集めていることに着目。親日家の卵といえる若年層をターゲットにした取り組みも重要だと判断し、今年2月末に「旗振り役」となる3人を選んだ。
 「漫画オタク」を自任する麻生太郎首相が、外相時代に国際漫画賞を設けるなど“ポップカルチャー外交”を推進してきたことも、一連の事業の追い風になった。
 だが「カワイイ」を合言葉にした新たな試みに、まゆをひそめる向きもある。24日の衆院外務委員会。公明党の丸谷佳織氏は「カワイイ大使が非常に短いスカートをはいて各国を回ることに、いらぬ批判を受けないよう注意を払ってほしい。文化には税金を使って広めるべきもの、広めなくても浸透していくものがある」と指摘した。
 外務省の門司健次郎広報文化交流部長は「相手国で受け入れられることが大事だ。現地の事情を十分に踏まえ、効果的に実施できるよう努めたい」と答弁。藤岡さんは「私がその国に行くことで、1人でもカワイイと思ってくれた人がいれば、日本の国益になっていると思う」と話す。

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2009年4月27日のニュース