ドMで自分に対してSの木村多江が花開く

[ 2009年1月15日 06:00 ]

主演女優賞を受賞した木村多江

 【ブルーリボン賞】“日本一不幸が板についた女優”が主演女優賞に輝いた。「ぐるりのこと。」でうつに陥った女性の再生を体現した木村多江(37)は「芝居が苦しくて変わりたいと思った時期に出合えた作品。もう一度スタートラインに立てました」と喜びをかみしめた。

 撮影現場では実際にうつ状態になったという。「ドMで自分に対してS」という性格。橋口亮輔監督(46)から容赦なくダメ出しを受け、「メールが来ても返事が出せずに(周囲を)シャットアウトしていた」。それでも「みんな小さな希望を持って生きていることをあらためて考えさせる映画。だから私が逃げるわけにはいかなかった」と向き合った。
 ホラードラマ「リング」「らせん」からちょうど10年がたち「幸薄い役を求められるのはありがたい。そうでない役もやりたいなあ」と話す。私生活では昨年2月に長女を出産し「愛情を注ぐものだと思っていたら逆に注がれている。産んで知った感情というのがある」と、優しくほほ笑む。役の幅はどんどん広がりそうだ。

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2009年1月15日のニュース