これがホンマの鶴光でおま!赤裸々自叙伝

[ 2008年7月5日 06:00 ]

 還暦を迎えた落語家の笑福亭鶴光(60)が、自叙伝「つるこうでおま!」(17日発売)で初めて半生を明かす。誕生前に両親が別れ、父親の顔を知らずに育ったこと、貧乏だった少年時代…。下ネタトークを売りにした明るいキャラクターからはうかがえない秘話を告白する。

 筆を執ったのは今年4月。出版元の白夜書房からの依頼に「還暦だし、人生の原点に立ち返るチャンスかもしれない」と快諾した。

 自叙伝の出版は、74年の「かやくごはん」以来。当時はニッポン放送「オールナイトニッポン」のパーソナリティーを始めたばかり。主に、学生時代からのエピソードを面白おかしくデフォルメした半フィクション的な内容だった。

 これに対して今回は「ボクの生き様のすべて」をさらけ出している。書き出しから「ボクは父親の顔を知らぬ」と告白。妊娠9カ月だった母親に、父親が「オレの子か」と聞き、母親が「いえ全然違う」と答えて別れたというエピソードを披露。生後から5歳まで一緒に暮らした祖父が子守歌代わりに小咄(ばなし)を聞かせ、寄席に連れて行ってくれたことが落語家を目指す“原点”になったとしている。

 少年時代は、島田洋七の自伝的小説「佐賀のがばいばあちゃん」にも負けないビンボー生活。母親が再婚した植木職人の義父は商売に向かず、生活が困窮。母親とともに植木鉢をリヤカーで大阪市内から兵庫・芦屋まで運び、鉢を売ったり、新聞配達をして生活費の足しにした。

 ほかに「オールナイトニッポン」の初回終了後、ディレクターだった亀渕昭信氏から「君にはセックスアピールが足りない」と言われ、下ネタトークを始めたことなども明かしている。

 鶴光は「還暦で第一の人生が終わり、第二の人生の出発。そんな気持ちで書きました。“あいつ、ホントはこんな男やったんや”、そんな感じで受け止めてもらえれば」とコメントしている。

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2008年7月5日のニュース