【センバツ】帝京長岡 春夏通じて初の甲子園は初戦敗退 “凱旋采配”の芝草監督 初勝利ならず

[ 2026年3月24日 04:00 ]

第98回選抜高校野球 1回戦   帝京長岡1―5東北 ( 2026年3月23日    甲子園 )

初戦敗退となった帝京長岡
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 春夏通じて初の甲子園出場となった帝京長岡が東北(宮城)との1回戦に臨み、1―5で敗れた。先発を託されたエース左腕の工藤壱朗(2年)は初回に2者連続で押し出し四球を与えるなど制球に苦しみ、4回0/3を4失点、7四死球。打線も相手4投手の継投に屈して1得点に終わり、聖地で“凱旋采配”となった芝草宇宙監督(56)に1勝を贈ることはできなかった。

 試合が終わった。金色の新ユニホームで臨んだ、春夏通じて初の甲子園。初出場で初優勝を狙ったが、現実は甘くなかった。初戦敗退。重い足取りで三塁ベンチを出た芝草監督は選手らと共に整列して相手の校歌を聴き「正直、悔しい気持ちしか残っていない」と素直な心境を吐露した。

 異様な空気感が、エース左腕を浮足立たせた。昨秋の北信越大会優勝の原動力となった工藤が先発も、先頭打者にいきなり四球。その後も制球に苦しみ、2者連続の押し出し四球で2点を失った。「3番ぐらいからいつもは修正できている部分が修正できなかった。腕が振り切れない感覚もあった」。聖地で一度乱れた歯車は、簡単には戻らなかった。

 制球難は続く。2回も犠飛と適時打を浴びて2失点。4回に初の3者凡退で立ち直ったかに見えたが、5回の先頭に四球を与えて降板となった。4回0/3を4失点(自責2)で7四死球。球自体は「悪くはなかった」と言うが、大舞台の重圧で本来の力を発揮することはできなかった。

 帝京高3年でエースとして出場した87年夏には同じ東北を相手にノーヒットノーランを達成した芝草監督にとっては、39年ぶりの甲子園凱旋だった。21日には同じ県勢の日本文理が初戦を突破。「何としてでも勝たせる」と強い思いで臨んだ聖地初采配だったが、序盤で主導権を明け渡した。打線は計4安打で得点は2回1死二、三塁から松本覇(はうる、2年)の遊ゴロの間に挙げた1点のみ。2回のホームスチールなど勝負手も決まらず「チームが機能できなかった。これは自分の課題」と受け止めた。

 負けたままでは終われない。工藤の父・和博さん(37)は「野球に対しては本当に負けず嫌いで、一生懸命」と息子の向上心の強さを語る。不完全燃焼に終わった試合後、工藤は涙をこらえながら「この試合は絶対に1日も忘れない。他の選手よりも強いものを持って、夏にリベンジできるように」と誓った。

 「出た課題に向き合っていく」と芝草監督。甲子園で味わった悔しさは、甲子園でしか晴らせない。この敗戦を、必ず夏につなげる。(大島 享也)

 ○…2番手で登板した左腕・西脇駆(3年)が奮起した。5回途中に制球難の工藤に代わって登板。横手の変則フォームで緩急自在の投球で9回までの5イニングを2安打1失点に抑えた。初優勝を決めた昨秋の北信越大会決勝でも好救援している左腕は「自分の中でもいい球が投げられた。自分はエースタイプではない。夏もしっかり工藤を支えていきたい」と責任感を口にした。

 ○…主将の鈴木祥大(3年)は「自分たちの野球を出そうと取り組んできたけど、出し切れずに負けた」と唇をかんだ。祖父・春祥さんは中越の監督として、父・春樹さんは柏崎と新潟県央工の監督として甲子園の舞台に立った。親子3世代で選手としては初めて挑んだ甲子園は「6番・中堅」で2三振を喫するなど3打数無安打。夏に向けて「一皮むけた帝京長岡を見せられるように」と誓った。

 ○…応援団長を務め、この春から大学に進む元吹奏楽部の三友になさんが、今回出場に合わせて2曲の新応援曲を作曲した。「高校の最後、みなさんが団長に任命してくれた。音楽の力で選手を応援したいという気持ちで作った」と最後まで力強い音色で選手を後押し。試合には敗れたが「ここまで連れてきてくれた選手に感謝したい」と語った。

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