幕張総合から「1点差不合格」を経て慶大へ…沖崎真周が幼なじみから受け継いだ「野球部主務」のバトン
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【東京六大学野球 次の100年へ】
「学生野球の父」の飛田穂洲、「ミスタープロ野球」の長嶋茂雄、阪神を日本一に導いた名将・岡田彰布も、1925年(大14)に始まった東京六大学野球を彩った。2025年に創設100周年を迎えた日本最古の大学野球リーグを支える人々を紹介するインタビュー連載「東京六大学野球 次の100年へ」。第11回は慶大野球部をけん引する沖崎真周主務(3年)。幼なじみから「慶大野球部主務」のバトンを受け継いだ。(聞き手 アマチュア野球担当キャップ・柳内 遼平)
――昨秋リーグ戦終了後に始動した新チームから主務に就任。大学野球最後の1年を迎えた心境は。
「主務になり、見える景色が全く変わりましたね。今はチーム全体を見なければなりません。どうすればチームがベストな状態でいられるのか、毎日考えています。責任は重いですが、その分、面白さも感じています。春のキャンプは、松山から始まり、中津、鹿児島、そして奄美大島へ。飛行機やフェリー移動など手配することが多く大変ですが、チームを動かしている実感が湧いてきますね」
――高校時代は千葉の公立校の幕張総合野球部で主に遊撃手としてプレー。今秋ドラフト候補に挙がる神奈川大の下手投げ右腕・松平快聖投手(当時は市原中央)との対戦もあった。
「3年夏に市原中央と対戦しました。あの変則的なフォームには苦しめられましたが、個人的には3安打を打って、最後は申告敬遠されました(笑)」
――1メートル90を超える超大型サブマリンとして注目されていた松平投手から初見で3安打…。その“松平キラー”がなぜ、大学野球ではマネジャーの道を選んだ。
「高校2年の夏前の守備練習で飛び込んだ際に左肩を脱臼し、その後は状態がなかなか良くならなかった。それに加えて、右肩もプレー中に脱臼してしまいまして、手術はしたものの、ずっと痛みを抱えていました。高校では最後まで怪我に泣かされた…。元々は慶大でも選手としてプレーするつもりでしたが“この体では厳しい”と感じ、悩んだ末にマネジャーとしてチームを支えることを決意しました」
――東京六大学野球の6校は魅力のある大学ばかり。慶大を目指したきっかけは。
「小学生の頃から、漠然と東京六大学で野球をすることに強い憧れがありました。“法政や明治、かっこいいな”と。その思いが明確になったのは中学時代です。プレーした千葉西シニアの先輩の下山悠介さん(現・東芝)の存在が非常に大きかった。僕が中学の時、下山さんが慶応高校のキャプテンとして甲子園に出場されているのを見て“かっこいいな”と衝撃を受けました。その瞬間、“俺も慶大に行く”と決意しましたね」
――下山選手とは接点はあった。
「僕が小学6年でシニアの練習に参加し始めた時、引退後も練習に来ていた中学生の下山さんがグラウンドにいました。直接話したわけではありませんが、当時から別格でしたね。野球のプレーはもちろん凄いんですが、野球だけではなく勉強もできて“こういう人がいるんだ…”と。下山さんが目標設定し、チームをまとめ、全国大会にでも出て…。その存在が、僕にとっての大きな目標になりました」
――幕張総合から慶大への進学は簡単な道ではない。
「そうですね。幕張総合から慶大に進む生徒は学年に1、2人と思います。自分が野球部で“慶大に行く”と言っても“行けるわけないだろ…”という雰囲気がありました(笑い)。でも、僕の中では下山さんへの憧れが強かったので、迷いはありません。高校時代は野球に集中し、引退後の夏から本格的に受験勉強をスタートしました。慶大は英語の配点が高いと知っていたので高校1年の頃から力を入れ、成績はずっと「5」で英検も準1級を取りました。現役の時は本当に悔しいんですが、1点差で不合格。でも“あと1点ならば来年絶対に受かる”と思えましたね。それで1年浪人して、翌年に無事に合格することができました」
――高校時代の恩師である幕張総合の柳田大輔前監督は公立校ながらプロ野球選手を育て、千葉大会で上位進出を果たした監督として知られる。
「柳田先生との出会いがなければ、僕は幕張総合にはいなかったかもしれません。先生は顔が広く、その人脈を駆使して僕たちに多くの出会いの場をつくってくださいました。先生からは“人との繋がりが大切だ”ということを学びました。その教えは、大学で主務を務める今、とても役立っています。東京六大学野球のいろいろな方と出会う中で、常に何かを学ぼうという姿勢を忘れないようにしています」
――慶大入学後、憧れの下山選手と再会は。
「昨年、(下山選手がプレーする)東芝さんの練習に外丸さんを送迎した際、お会いすることができました。その時は緊張して“同じシニア出身です。よろしくお願いします”とあいさつするのが精一杯。久々にお会いした下山さんは体が大きくなっていて、やはり今でもオーラが違いましたね。僕にとって、変わらず偉大な存在です」
――秋まで慶大の主務を務めた1学年上の勝野淳さんの存在は。
「淳とは小学1年の頃からの付き合いです。(浪人したため1学年上になった)彼が1年間主務を務める姿を間近で見て、多くのことを学びました。彼が残してくれた良い部分は引き継ぎ、改善すべき点はさらに良くしていきたい。彼も昨年は(春秋ともに5位で)悔しい思いをしたので、その思いも背負って今年は絶対に優勝したい。チームでは“4冠”を目標に掲げていまして、グラウンドでは常にその声が飛び交っています」
――昨年、100周年を迎えた東京六大学野球リーグ。意気込みは。
「新たな100年の最初の年に慶大が優勝するという強い思いがあります。そして、僕がそうだったように、子供たちが“六大学で野球がしたい”と憧れてくれるようなリーグであり続けてほしい。このリーグから魅力を発信していけたら嬉しいです」
◇沖崎 真周(おきざき・ましゅう)2003年(平15)7月4日生まれ、千葉県千葉市出身の22歳。磯辺第三小1年から磯辺シーグルスで野球を始める。磯辺中では千葉西シニアに所属。幕張総合(千葉)では1年秋からベンチ入りし、3年時に主将。慶大野球部にはマネジャーとして入部し、3年秋から主務を務める。趣味は一人キャンプ、サーフィン。右投げ右打ち。
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