野手転向の阪神・西純矢 秋季C初日フリー打撃で“決意の一発” 「人生で一番練習している」

[ 2025年11月2日 05:15 ]

<阪神秋季キャンプ>フリー打撃で柵越えの一打を放つ西純(撮影・中辻 颯太)
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 阪神の秋季キャンプが1日、高知県安芸市でスタートし、今秋から野手に転向した西純矢投手(24)が疲労困憊(こんぱい)で初日を終えた。午前8時15分から早出ウエートトレーニングを行い、帰路に就いたのは午後5時30分。9時間30分の鍛錬を終え「人生で一番練習している」と語った若虎は、フリー打撃で“決意の一発”を叩き込んだ。

 時計の針は午後5時30分を過ぎようとしていた。この日の安芸市の日の入りは、同12分。すっかり暗くなった安芸ドームの前に、西純が疲労の色をにじませて姿を現した。午前8時過ぎの早出ウエートトレから9時間以上、一心不乱に体をいじめ抜いた24歳は、ぽつりと本音を漏らした。

 「高校(岡山・創志学園)でもこんなに練習はしていない。高校の時も練習する方だったと思うが、ここまでは…。人生で一番練習していると思う」

 プロ6年目の今季までは、当然ながら投手の練習しかしていない。走り込みやブルペン投球が主で、早い日には昼過ぎに帰宿した。だが今は違う。ベースランニングや左翼でのシートノック、フリー打撃にゴロ捕球、特打…。夕方まで隙間なくメニューが埋まる。これらの消化こそ、野手初心者の西純にとって最初の難関。「めちゃくちゃ大変」と苦笑いし、初日の収穫に「流れがわかったこと」と語るのもうなずけた。

 「タイミングがうまく取れない。慣れもあるかもしれないが、再現性を良くしてないと打てない。少しでも早く、周りに追いつきたい」

 不満げな言葉とは裏腹に、フリー打撃では確かな光も放った。63スイングで柵越え1本。“希望のアーチ”に、土佐の虎党から拍手も起きた。マンツーマンで指導を受けた北川2軍打撃チーフコーチからも「当たればおもしろい力を持っている」と評価された一方「(バットではなく)棒を振っているというか、力任せ。ヘッドを使うイメージをつけたい」と宿題も課された。

 「きょうは何とか(猛練習に)耐えた。少しでもレベルアップしたい」。今年2月に受けた右肘手術の影響もあり、投手として大成するには至らなかった。マウンドに別れを告げ、持ち前の打撃センスで未来を切り開く――。決意に満ちた青年の顔を、タクシーのヘッドライトが明るく照らした。(八木 勇磨)

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