ボブルヘッド人形仕掛け人が明かす「大谷―デコピン始球式」実現のワケ 人形配布日は3戦連発の吉兆!

[ 2025年6月25日 01:30 ]

大リーグ新企画「MLB BUZZ」

大谷と愛犬デコピンのボブルヘッド人形
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 ドジャース大谷翔平投手(30)も配布日はウキウキ!?6月の「Monthly Shohei」は大リーグ観戦の大きな楽しみの一つになっている来場者へ無料配布されるボブルヘッド人形に迫る。投打二刀流の大谷は今季は4体も配布予定で、既に配布された2試合とも本塁打を放った。仕掛け人であるロン・ローゼン上級副社長兼マーケティング最高責任者(66)に狙いから、人形たちの歴史まで聞いた。 (取材=奥田秀樹通信員)

 大谷は昨年の史上初の「50―50(54本塁打&59盗塁)」達成記念ボブルヘッド人形配布日だった5月15日のアスレチックス戦で、2打席連発を含む6打点の活躍を見せた。これで昨年8月28日、今年4月2日に続き自身の人形配布日は3戦連発。「たまたまだと思う」と笑ってみせたが、ローゼン氏にはまた違った様子に映るという。

 「相関関係までは分かりませんが、配布日は大谷選手も楽しそうです。人形が出来上がると、大谷選手も見たがるし、家族も楽しみにしているようで何体か贈っていますよ」

 昨年8月28日の愛犬デコピンとのコラボ人形は話題を呼んだ。アイデアはローゼン氏らマーケティング部門が考案している。

 「我々が思いつき、大谷選手に提案して了承を得た。それどころか本人が非常に乗り気になってくれて、あの始球式が実現したんです」。オリオールズ戦の試合前、デコピンはボールをくわえてマウンドから一直線に捕手・大谷の元へ。ハイタッチに場内は大きく沸いた。「素晴らしい演出のおかげでファンも大喜び。我々スタッフと大谷選手が一体となって出せた成果でした」と感慨にふけった。

 ドジャースの来場者へのボブルヘッド人形配布は01年4月4日のトミー・ラソーダ元監督が第1号だ。その年は3試合。日本選手で初めて人形になったのは02年8月24日の野茂英雄だった。その後、08年斎藤隆、13年に再び野茂、16年に前田健太の人形が登場した。

 積極的に集客戦略に取り入れ始めたのは、現オーナー体制となった12年から。その年に初めて2桁の11試合で配られ、今季は21試合(大谷4、山本1、佐々木1)を予定する。今季の大リーグ全体での配布試合数は計175試合。両リーグ最多でホーム試合の25%以上で配るド軍は飛び抜けており、次いでメッツ12試合、アストロズ9試合となっている。

 「最も重要なのは、ファンに今日球場に来て良かったと思ってもらうこと。レプリカのワールドシリーズトロフィーやチャンピオンリングなども配布します」。顧客満足度を上げる施策を次々と打ち出すが、ボブルヘッド人形は王道に定着し、中でも大谷は人気が桁違いだという。「ファンは早朝から並び始める。やはりファンの大谷選手愛は特別です」。転売層も巻き込み、デコピンを抱く人形は試合翌日に米競売サイト「eBay」で1時間あたり1750回も検索され、金色のレアバージョンは最高1200ドル(約17万6000円)で取引された。

 「50―50」達成人形は2種類に分けられ、残る1つは8月27日(日本時間28日)のレッズ戦で配られる。1体目はスライディングする大谷で、2体目のデザインは公表されていない。「新しいアイデアを試したかった。2つにすることで、次に何が来るかワクワクしてもらえる。8月に来てくれたファンには素晴らしいショーを提供できたらと思っています」。また新たな話題を呼ぶことに狙いを定め、仕掛け人はにおわせながらほほ笑んだ。

 ◇ロン・ローゼン 1959年生まれ、カリフォルニア州出身の66歳。南カリフォルニア大を卒業後、NBAのレーカーズやNHLのキングズに関わり、スポーツマーケティング会社「ファースト・チーム・マーケティング」を設立。元NBAスターのマジック・ジョンソンの事業などを手がける。12年からドジャース上級副社長兼マーケティング最高責任者を務めている。

【ボブルヘッド人形の歴史】
 ボブルヘッド人形が大リーグで初めて話題になったのは1960年のワールドシリーズで、ロベルト・クレメンテ、ミッキー・マントル、ウィリー・メイズらの紙製人形が販売された。ただし、顔はみんな同じで、ユニホームが違うだけ、損傷もしやすかった。90年代後半にはプラスチック製で品質が上がり、製造コストも低下した。01年7月28日には、マリナーズが本拠地で新人だったイチローのボブルヘッドを先着2万人に配布。デーゲームだったが、前日の午後11時半にはファンが球場前に並び始め、試合開始の3時間以上前には長蛇の列ができていた。急成長した米競売サイト「eBay」の存在もあり、「コレクターズアイテム」として人気が爆発的に高まっていった。

【大谷人形は桁違いの人気】
 ボブルヘッド人形は「先着3万人」など、数量限定で来場者に無料配布されることが多かった。ただ、ドジャースは、過去の大谷人形配布時にファンによる渋滞で球団職員らが足止めを食らうなど、試合運営にも支障を来しかねない事態となり、今年5月の人形は「全員配布」とされ、混乱は少なかった。パイレーツは4月19日にスキーンズの人形を先着2万人に配布予定だった。ただ想像以上に多くのファンが早い時間から長蛇の列をつくり、急きょ「全員に配布する」と方針変更して対応した。

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