阪神・佐藤輝 「手を消す」意識浸透 下半身と上半身理想の連動性を手に入れ通算100号到達

[ 2025年6月6日 05:15 ]

交流戦   阪神7―1日本ハム ( 2025年6月5日    エスコンF )

<日・神>8回、通算100号となるソロを放つ佐藤輝(撮影・高橋 茂夫)
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 「令和のミスタータイガース」へ一直線!阪神・佐藤輝明内野手(26)が、5日の日本ハム戦(エスコン)でプロ通算100号本塁打を達成した。4―0の8回先頭で迎えた第4打席、福谷から右翼席中段へダメ押しの16号ソロ。球団生え抜きでは田淵幸一以来2人目となる5年目での大台到達で、575試合目は田淵、掛布雅之に次ぐ3番目のハイペースとなった。北の大地で4番が球団史に新たな記録を刻みつけた猛虎は、セ・パ首位対決を制して2019年以来6年ぶりとなる交流戦勝ち越し発進を決めた。 

 北の大地にかけた100本目の虹は、過去のどの一本よりも高く、美しい弧を描いた。右翼・万波は見上げるだけ。8回先頭で迎えた第4打席、佐藤輝が節目の一撃を放った。

 「出塁を意識して打った。もう打った瞬間だった。100号は意識してなかったが、歓声と拍手で実感した」

 福谷が投じた2球目のスライダーをすくい上げた。確信の弾道。昨季は1シーズンかかった16号を今季は55試合目にマークした。驚異の量産ペースは、近大1年時から師事する高島茂誉トレーナーとの取り組みの結実だ。幼少期からMLBの映像に親しんできた26歳。従来、打撃フォームや体の動かし方は憧れのメジャーリーガーを参考にする中で、今オフは「コンタクト率アップ」を重点化した。

 加えて、昨オフからの宿題「体が回れば勝手に手がついてくる=手を消す」意識がより浸透した。上半身の筋力と感覚が強いゆえの手だけで打ちにいく悪癖を消すべく「下半身主導」へ矯正。下半身が先に動き、上半身が遅れて出る理想の連動性を手に入れたことで、バットがしなり、逆方向への放物線が激増。昨季は4本だった逆方向への本塁打が、今季はすでに8本へと倍増した。

 “狙った流し打ち”ではなく、自然と打てるようになった。「手は最後に出すことを意識すると、ボール球を振りにくくなる」と佐藤輝。外へ逃げる変化球や高めの剛球の空振りも減った。日頃から「だんだん自分の打撃が分かるようになってきた」と語るように、肉体の動きやスイングを理解することで、再現性もアップした。「こういうことですね、という反応が今年は多い」と高島氏。今では、以前の打撃不調時の動画を見て、修正箇所を即答できる。随所に成長の証が光る。

 100号が終着点ではないから、勝負の秋を見越したトライも始めた。5月に入り、試合間練習のフリー打撃の時間を短縮。本拠地だと、2カ所に配置された左右の打撃投手を打っていたのを、当日の予告先発の利き腕の方だけに絞った。「4年やってきて(練習量の調整は)結構大事かなと思った」。首脳陣と密に会話した上で、夏場の疲労蓄積回避への先手を打った。全てはシビれる9月に万全で臨むため――。技術に加え、思考と準備力も進化を遂げている。

 「打てたことに喜びを感じて、また明日から新しい気持ちで、頑張りたいと思う」

 左打者の大敵「浜風」が吹き、今はラッキーゾーンもない甲子園を本拠に構えながらも大台へたどり着いた。「そこは自信にしつつ、もっともっと打ちたいという思いも新たに出てきた」。“アーチスト”の欲は果てしない。勝利につながる一発を思い描き、終わりなき旅路を歩み続ける。(八木 勇磨)

 ○…佐藤輝(神)が8回、福谷から右越えの16号ソロで通算100本塁打を達成。プロ野球310人目。プロ初本塁打は21年3月27日のヤクルト戦初回に田口から。プロ5年目、通算575試合目の到達で、阪神選手では22年大山以来22人目。チーム最速は85年バースの来日3年目、304試合があるが、生え抜きで5年目の到達は73年田淵幸一に並ぶ最速。試合数では田淵の424試合、79年掛布雅之の553試合に次ぐ3番目。26歳2カ月は掛布の23歳11カ月、72年藤田平の24歳11カ月に次ぐ3番目の年少達成。98年新庄剛志の26歳5カ月を抜いた。

 ○…6月4試合4本塁打で早くも昨季に並ぶ16号。2位の牧(D)に6本差の独走で、目下シーズン41本塁打ペースだ。

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