張本勲氏「長嶋茂雄賞」創設を提言 打者の「沢村賞」「未来にこういう選手がいたんだと伝えていかないと」

[ 2025年6月6日 05:25 ]

談笑する長嶋茂雄・巨人軍終身名誉監督(右)と張本勲氏
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 ミスターの功績も永久に不滅です――。肺炎のために3日に89歳で死去した長嶋茂雄さんの盟友で、球界のご意見番として知られる張本勲氏(84=スポニチ本紙評論家)が5日、「長嶋茂雄賞」の創設を提言した。プロ野球で先発投手の最高栄誉となる「沢村栄治賞」と対になる形で野手を表彰することができる。プロ野球最多の通算3085安打を誇る張本氏は偉大な「ミスタープロ野球」の名前を賞として未来に残すことの意義を強調した。 

 「長嶋茂雄賞」が創設されれば、その名前が未来永劫(えいごう)、日本の野球界に輝きとともに残る。張本氏は「絶対に賞をつくってほしい。ぜひやってもらいたい。球界の他の皆さんも賛同すると思う」と強く訴えた。プロ野球界に「第二の長嶋茂雄」が生まれてほしいとの願いと、「ミスタープロ野球」の名前、偉大な功績などを次の世代にも伝えるためだ。

 「賞として長嶋さんの名前を残すことは非常に大事だ。100年、200年先の未来に、かつてプロ野球界にはこういう選手がいたんだ、と。燦然(さんぜん)と輝く存在だったということを伝えていかないといけない」。張本氏はその意義を強調した。

 日本のプロ野球では個人の名前が冠された賞は少ない。先発完投型の投手が対象の「沢村栄治賞」は1947年に創設。沢村が44年に太平洋戦争で戦死してから3年後だった。現在、野手を対象にした名前の付いた賞はなく、走攻守そろった名三塁手だった長嶋さんの賞なら野手が表彰対象となっても違和感はない。

 沢村賞のように成績に応じた選考基準を設けるのか。または「燃える男」としてハッスルプレーが代名詞だったミスターのように、チャンスに強い打者、魅せるプレーでファンを沸かせた選手を対象にしてもいい。現在は記者投票によって選ばれる賞も多いが、ファンを大切にした長嶋さんの姿勢に敬意を表してファン投票で選考するのも一つのアイデアだ。長嶋さんは国際的な視野も併せ持っていた。ドジャース・大谷翔平ら海外で活躍する選手が賞の対象になってもいいだろう。

 張本氏は「NPBなどと話をして、現在の最高殊勲選手、シーズンMVPの表彰を“長嶋茂雄賞”に変えてもいいのでは。あとは2冠、3冠になった選手を選ぶのもいいと思う」と力説。この案なら、20、21年に2冠の岡本(巨人)、22年に3冠王の村上(ヤクルト)は各打撃タイトルとは別に「長嶋茂雄賞」の栄誉に輝くことになる。

 何より大切なのは、日本のプロ野球の象徴であり、野球の神様とも称される「長嶋茂雄」の名前を永遠に残すこと。それこそが賞創設の最大の意義となる。(鈴木 勝巳)

 ▽沢村栄治賞 戦前のプロ野球草創期に活躍して戦死した巨人の伝説的投手、沢村栄治の功績を称えて1947年に読売新聞社が制定した。通称「沢村賞」で一年を通じて最も活躍した先発完投型の投手を表彰。50年の2リーグ分立後はセ・リーグのみを対象とし、89年からパ・リーグも加えた。81年までは記者投票で、82年からはOBを中心とした選考委員会で選出。「15勝以上」「10完投以上」など7項目の基準がある。56年に大リーグで制定したサイ・ヤング賞よりも歴史は古い。

 ≪大リーグではハンク・アーロン賞など≫プロ野球で人名を冠した賞は「沢村賞」の他に「正力松太郎賞」がある。日本プロ野球の生みの親とされる読売新聞社社主の同氏の功績を称えて1977年に創設。その年のプロ野球の発展に大きく貢献した人物を表彰し、長嶋茂雄さんも巨人監督だった94年に選ばれた。大リーグでは投手から選ぶサイ・ヤング賞の他、打者から選ぶハンク・アーロン賞、DHから選ぶエドガー・マルティネス賞、社会貢献活動を表彰するロベルト・クレメンテ賞などがあり、大谷(ドジャース)は昨季までハンク・アーロン賞を2度、エドガー・マルティネス賞を4度受賞している。

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