阪神・森下 第110代4番初打席弾 別当薫以来生え抜き75年ぶり2人目 14日は24歳の誕生日

[ 2024年8月14日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神8―5巨人 ( 2024年8月13日    東京D )

<巨・神>初回、先制2ランを放つ森下(撮影・島崎 忠彦)
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 阪神・森下が振り抜いた打球は、一直線に左中間席へと消えた。初回2死二塁。グリフィンの高めに浮いたスプリットを捉え、ルーキーイヤーの昨季を上回る11号先制2ラン。前日まで4番を務めた佐藤輝が6月22日のDeNA戦以来のスタメン落ちとなり、球団の第110代4番打者に起用された背番号1が、いきなりアーチを描いた。

 「4番はチームの核となる選手。中途半端なことはできないと思っていた」

 4番を告げられた時から、イメージはできていた。「初回は走者がいないと回ってこない。セットポジションを頭に入れていた」。球団で4番としての初打席でアーチを放ったのは、03年の金本知憲以来3人目。生え抜きでは1リーグ時代の1949年の別当薫以来、75年ぶり2人目の快挙となった。

 「打順が変わって、(3番よりも)準備できる時間が凄くあった。自分の中で、しっかり段階を踏んだ上で打席に立てた」

 “4番の重圧”に負けず自分のスイングができるのは、地道につくり上げたタイミングの取り方があるからだ。一般的に、早めに始動してタイミングを取ることが定石。だが、森下は始動をあえて遅くして球を捉える。「伸張反射」と呼ばれる、急速に引き伸ばされると急速な力で収縮し、大きな力を生む筋肉のメカニズムを利用する狙いがある。「始動が遅めな代わりに、早くテイクバックを取る。筋肉を素早く引き伸ばしたら、後は収縮する力を利用して打つ」。12年の3冠王で、昨季限りで引退したミゲル・カブレラ(元タイガース)ら大リーガーも参考に試行錯誤。最大限の力を効率良くボールに伝えられる形を目指している。

 きょう14日は、24歳の誕生日。貴重な一発を打ち上げて、自らを前祝いした。「勝てたことが大きい。誕生日を迎えて、いい一年にしたいと思う」。23歳を最高の形で締めくくった森下。連覇へ向けて、ここから大車輪の活躍を見せる。(松本 航亮)

 ≪金本知憲以来3人目≫森下(神)が初めて4番で先発し、初回に先制2ラン。阪神の4番として初打席で本塁打は、1949年4月16日南海戦の別当薫、2003年8月9日広島戦の金本知憲以来3人目。生え抜き選手では別当以来、75年ぶり2人目。

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