【甲子園】大会6日目やっと出た!最も遅い夏1号は東海大相模・柴田 8番打者「まさか」の一発

[ 2024年8月13日 05:00 ]

第106回全国高校野球選手権大会第6日・2回戦   東海大相模4―0富山商 ( 2024年8月12日    甲子園 )

<富山商・東海大相模>8回1死、東海大相模・柴田は大会第1号本塁打を放つ(投手・森)(撮影・大森 寛明)
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 やっと出た!2回戦4試合が行われ、東海大相模(神奈川)は富山商に4―0で快勝して初戦を突破。8回に柴田元気内野手(2年)が右越えに今大会1号を放った。今春選抜から完全移行となった低反発の金属バットで、同バットが解禁された1974年以降では最も遅い大会6日目での第1号。関東第一(東東京)は北陸(福井)を7―1で下して3回戦に進んだ。

 柴田は知っていた。大会5日目を終え本塁打が出ていないことを。前夜、宿舎の駐車場で素振りに励んでいた際、4番の金本貫汰(2年)に言った。「お前が一発を打ちそうな気がする…」。8番を担う自分の役割は一発ではなくつなぐ打撃。だが、翌日に1号を放ったのは柴田だった。

 「真芯で捉えたので行ったかなと思ったけど、まさか自分が打てると思っていなかった。ベースを回った時の歓声が本当に凄くて、とてもうれしかった」

 柴田は知っていた。今春選抜で完全移行となった低反発の金属バットが「フライは飛ばないがライナーは伸びる」ということを。2点リードで迎えた8回1死。1メートル68の左打者が内角直球を引っ張る。ジャストミート。弾丸ライナーが右翼ポール際に消えた。大会6日目、19試合目での1号は金属バットが導入された74年夏以降で最も遅い。「低く強い打球を打つことを意識してしっかり振ることを心がけた」と語った。

 21年9月に就任した元巨人の原俊介監督は「出塁してくれ、と送り出したけど一番いい結果が出た」と聖地初采配での初勝利につながる一撃に目を細める。新基準のバットは従来と異なり芯を外せば飛距離が著しく落ちる。打撃練習では芯を外せば即交代させるなど、集中力を磨いた。

 小技が武器の「いぶし銀」の二塁手。試合後は多くの報道陣に囲まれ「今までこんなことはなかった」と驚いた。21年選抜は日替わりでヒーローが誕生して頂点を極めた。15年以来9年ぶりの頂点を狙う夏。柴田が進撃開始の号砲を鳴らした。(柳内 遼平)

 ◇柴田 元気(しばた・げんき)2007年(平19)5月15日生まれ、千葉県出身の17歳。小1から小6までは岬ウィンズでソフトボールをプレー。岬中では千葉西リトルシニアに所属。高校通算16本塁打。50メートル走6秒2、遠投90メートル。名前は「りゅうが」と命名予定だったが、誕生後の活発ぶりから5学年上の姉・芽衣さんが「元気」と名付けた。1メートル68、75キロ。右投げ左打ち。

 ▽低反発の金属バット 投手へのライナーなど事故防止を目的に導入され、最大径が3ミリ細い64ミリ未満となるなど「飛ばないバット」として注目される。完全移行となった今春選抜は大会2日目で第1号は出たが、全31試合で本塁打わずか3本(柵越え2)で金属バットが同大会で解禁された1975年以降で最少。優勝した健大高崎は01年の常総学院(茨城)以来23年ぶりとなる本塁打0のチームによる頂点だった。

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