阪神自力V消滅危機 首位広島にカード初戦白星献上 適時失策の佐藤輝に岡田監督は…

[ 2024年8月10日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神3―6広島 ( 2024年8月9日    京セラD )

<神・広>6回、左飛に倒れた佐藤輝(撮影・後藤 正志)
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 阪神は9日の広島戦(京セラドーム)に3―6で敗れた。0―0の2回2死一、二塁で佐藤輝明内野手(25)が適時失策を犯して先制を許したことが響き、大事な首位チームとのカード初戦を落とした。岡田彰布監督(66)は、その拙守について問う報道陣に「そういうこと」を3度繰り返し「それだけやん」と締めた。3ゲーム差に広げられ、残り2試合を連敗もしくは1敗1分けなら、11日に自力優勝の可能性が消滅する。8月好調の和製大砲よ、ミスを取り返し、猛虎を窮地から救ってくれ!

 佐藤輝のミスが命取りになった。2回2死一、二塁。林の三ゴロを一塁へ悪送球した。捕球後、「守備位置的に、(一塁の)大山さんが離れていたので」とステップを整えて投げたボールは、大山の頭上をはるか越えた。

 チェンジのはずが一転、先制点を許し、攻守に与えたダメージは計り知れない。岡田監督は試合後、敗因はただ一つと言わんばかりに、報道陣の質問に三たび「そういうこと」を繰り返した。

 ――佐藤輝の失策がなければ試合の展開も違ったか。

 岡田監督 そういうことやろ。

 ――取れるアウトを確実に取らないと。

 岡田監督 そういうことやろ。

 ――2回は0点か1点かではその後の村上の投球も変わった。

 岡田監督 そういうことやんか。それだけやん。

 先発の村上が粘り切れず、伊藤将ら2番手以降の投手が失点をし、今季初先発の森を打ち崩せなかった要因は、ゲーム序盤の守備のほころびで気勢をそがれたことが響いた。指揮官は「いろいろ言うたら、明日あさって試合あるから分かってしまうやん」と続け、30秒で会見を打ち切った。多くを語らない姿が、このカードの重要性を物語っていた。

 事実、初戦を落としたことで、好ましくない状況が迫っている。残り2試合で2敗もしくは1敗1分けなら明日11日に自力優勝の可能性が消滅する。今後の勝敗次第で復活するものとはいえ、気分的にいいものではない。

 嫌なムードを振り払うのは、やはり佐藤輝しかいない。8回、1点を返してなおも1死二塁では左前打を放った。村上登板時に敗戦につながる失策を犯したのは今季3度目で、それを引きずるように3打席目まで凡退。それでも最後の打席で意地を見せ、大山の二ゴロの間の1点につなげた。4番が打てば、攻撃に勢いが出ることを改めて証明した。

 「あれは本当に反省をして、また練習をします」

 そう言葉を残し、球場を後にした。目下8月8試合で打率・500(30打数15安打)、4本塁打、10打点。得点力を支えていることは、誰の目にも明らかだ。痛恨のミスは、そのバットで取り返すしかない。(倉世古 洋平)

 ○…阪神は最短で明日11日に自力優勝の可能性が今季初消滅する。条件は11日までの広島戦2試合に、2連敗か1敗1分け。1敗1分けの場合、阪神は残り38試合に全勝でも最終勝率・657(90勝47敗6分け)で、広島が残り44試合のうち、阪神戦6試合以外に全勝した場合の最終勝率・664(91勝46敗6分け)を上回れなくなるため。

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