【甲子園】新潟産大付が初出場初勝利 幼なじみ千野同点打&多田V打 友の絆でジャイキリ花咲徳栄食った

[ 2024年8月10日 05:00 ]

第106回全国高校野球選手権大会第3日・1回戦   新潟産大付2-1花咲徳栄 ( 2024年8月9日    甲子園 )

<花咲徳栄・新潟産大付>7回2死三塁、新潟産大付・多田は勝ち越しの左前適時打を放ちガッツポーズ(撮影・後藤 大輝)
Photo By スポニチ

 走り出すと同時に右手を突き上げた。1―1の7回2死三塁。新潟産大付の4番・多田大樹(3年)は「狙っていた」という144キロの内角直球を左前へ運んだ。春夏通じて初出場での初勝利、そして県勢で聖地7年ぶりの勝利を手繰り寄せる一打。強豪の花咲徳栄を撃破し「自分は勝負強さが売り。絶対に打ってやろうという気持ちだった」と誇った。

 幼なじみの快音が心に火を付けた。0―1で迎えた6回2死三塁。2、4回は得点機でいずれも凡退した7番・千野虹輝(3年)が「チャンスをつぶしていたので、一本出したかった」とバットを指2本分短く持って打席に立った。左中間への同点二塁打。甲子園のスコアボードに記念すべき「1」を刻んだ。そんな相棒の姿に「俺も打たなければ」と多田の心も奮い立った。

 お互いの自宅は徒歩で5分圏内。同じ小学校に通い、多田が小1から、千野は小2から野球を始めた。「遊ぶにも、野球をするにも、小学校から毎日一緒だった」と千野。新潟産大付には千野が多田を誘った。

 春の練習試合ではケガをした多田に代わって千野が4番を担い、千野が調子を落とした今夏は多田が4番に。互いに支え合ってたどり着いた聖地で、ともに輝いた。

 県勢の初出場での勝利は84年の新潟南以来、40年ぶり。千野は「新潟県は最弱と言われてきた。新潟県を代表して、いいところを見せたい」と誓う。チームの合言葉は「ジャイアントキリング」。新潟大会で日本文理、帝京長岡などV候補を次々に破った雑草軍団が、旋風を予感させた。(棚橋 孝太)

 ≪新潟県勢令和1勝≫新潟産大付が甲子園初出場で初勝利。新潟県勢の初出場初勝利は84年新潟南以来40年ぶり4度目だ。同県勢の甲子園勝利は17年夏の日本文理(1回戦○9―5鳴門渦潮)以来7年ぶりで令和初となり、令和で甲子園未勝利の都道府県は宮崎のみ。また春夏通じ甲子園初出場校が夏の優勝経験校を破って初勝利をマークしたのは15年の津商○9―4●智弁和歌山以来9年ぶりだ。なお新潟勢は夏の甲子園29勝目。並んでいた山形を抜き最下位を脱した。

続きを表示

この記事のフォト

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

野球の2024年8月10日のニュース