ド軍指揮官 大谷翔平の活躍にWBCでの姿重ねる「今夜の試合は違うと感じた。10月はもっと…」

[ 2024年8月6日 14:38 ]

ナ・リーグ   ドジャース5―3フィリーズ ( 2024年8月5日    ロサンゼルス )

5回に右翼線二塁打を放ち、ポーズを決めるドジャース・大谷(撮影・西尾 大助)
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 ドジャースの大谷翔平投手(30)が5日(日本時間6日)、本拠でのフィリーズ戦に「1番・DH」で先発出場。第3打席で右翼線二塁打を放つと、第4打席に3戦ぶりの一発とする今季34号を放った。これで2戦ぶりのマルチ安打をマークし、打率は.309まで上昇。大谷が2安打2打点の活躍を見せ、ナ・リーグ東地区首位のフィリーズとのポストシーズン前哨戦で先勝した。

 試合後、デーブ・ロバーツ監督は大谷が本塁打を放った際に一塁へ戻ったプレーについて「ボールがフェンスに届くかどうか確信がなかったのかもしれない。前にもあったけど、(中堅の)マシューが捕ったのかどうか、確認していたのだと思う。最終的には確実に一塁ベースに触れていたから良かった」と振り返った。

 また、大谷がこんな試合でプレーをしたいと言っていたということについて振られると「一番思い出すのは、彼がクラシック(WBC)で見せた姿。報じられているように、チームジャパンに対して言ったことは有名だ。そこで見せた集中力もね。彼自身も意味のあるゲームでプレーしたいと言っていたし、だからこそ今夜の試合は違うと感じた。以前のロードトリップではスイングでちょっと焦っていたような印象もあったけど、今夜は自分をうまくコントロールしていた。もう少しで複数のホームランを打っているところだった。10月が近づくにつれて、もっと素晴らしいプレーを見せてくれると思う」と期待していた。

 8回先頭で迎えた第4打席で大谷が豪快な一発を放った。左腕バンクスの1ボールからの2球目のチェンジアップを強振。打球は37度で高々と左中間方向へ打ち上がったが、打球速度107.4マイル(約172.8キロ)の打球は384フィート(約117.0メートル)の左翼席最前列で弾んだ。エンゼルス時代の同僚である中堅マーシュがフェンス際でジャンプしたが、ギリギリで届かなかった。左中間席で弾んだ打球がグラウンドに戻ってきたため、大谷は一塁ベースを回ったところで一度ベースを踏みに戻る珍事もあった。

 第1打席で三邪飛に倒れた大谷の第2打席は1―2の3回無死一、三塁の好機。右腕ノラの初球の速球を捉えて右翼へ高々と打ち上げると、惜しくも打球は右翼フェンス手前で失速したが、犠飛には十分な当たりで同点とした。さらに2番T・ヘルナンデスが左翼へ勝ち越しの2ランを放ち、この回一挙4点を奪って2点ビハインドを勝ち越した。さらにフリーマンにも復帰後初安打となる右前打が飛び出し、一気に勢いづいた。

 4―2で迎えた1死走者なしでの第3打席。3ボールから右腕ノラの4球目の速球を狙い打つと、打球は117.1マイル(約188.4キロ)の痛烈な打球で右翼線に弾む二塁打となった。さらに2死後のフリーマンの打席で今季32個目の盗塁となる三盗を決めた。これで年間45盗塁ペースとなった。しかし、フリーマンは二ゴロに倒れて追加点は奪えなかった。

 三男マキシマス君が「ギラン・バレー症候群」を発症し、7月26日のフィリーズ戦を前にチームを離脱していたフリーマンがこの日からチームに合流。9試合ぶりに「3番・一塁」で先発復帰した。大谷、山本らナインは試合前練習でフリーマンを応援する特製Tシャツを着用。デーブ・ロバーツ監督は試合前に「チームメートやコーチたちみんながこのシャツを着て、彼のことをサポートしている。彼が戻ってきて良かったと感じる。そして、彼にとって、ここにいてドジャースのみんなといることが、家族の現実から少し離れ、セラピーのような形にもなると思います」と話していた。

 フリーマン不在の8試合でチームは3勝5敗と負け越し。得点は36だったが、決定打を欠いて勢いをなくしていた。左手骨折のベッツも欠き、相手のマークは大谷に集中していたが、ここからは得点力向上が期待される。

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