ドタバタで球宴出場の楽天・鈴木大地 家族旅行キャンセルもパパの安打で「鈴木家の夏の思い出」に

[ 2024年8月3日 08:00 ]

オールスター<全パ・全セ(1)> 8回、鈴木大は右前打を放つ(撮影・大森 寛明)
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 今年の「マイナビオールスターゲーム2024」は大いに盛り上がった。エスコンフィールドで初めて実施された第1戦(7月23日)、神宮球場が舞台となった第2戦(同24日)はともに“野球の祭典”らしい内容だったが、スター選手が一堂に会した夢舞台に急きょ立つことになったのが、楽天の鈴木大地内野手(34)だった。

 プロ13年目の今季は前半戦終了時点で打率・285、3本塁打、30打点の好成績を残していた。辞退者が出たことによる補充選手として選出され、通算6度目の出場となった。

 「まさか、ですよ。言われたときはビックリしました。自分が出られるなんて思っていなかったんで。実は(球宴期間中の)休養日を使って家族で旅行に行く計画を立てていたんです。出場が決まってすぐにキャンセルしました」

 球団から一報を受けたのは神戸でオリックス戦が行われた7月21日だった。第1戦は2日後。しかも舞台は北海道だ。どんな形であっても球宴に出場できることは光栄だが、想定外すぎて驚きと戸惑いの感情が強かったというのが本音のようだ。すぐに家族に連絡。旅行を取りやめ、パパが出場する球宴の現地観戦が今年の鈴木家の夏の思い出になった。

 球宴では多くの選手が球宴仕様のカラーやデザインをあしらったグラブやスパイク、バットを使ってプレーする。用具提供の契約を結んでいるメーカーから提供されるものだが、球宴2日前に出場が決まった鈴木大は当然、間に合わない。「僕だけ普段、使っている道具です。でも、ミズノさんがせっかくだからということで“後日、オールスター仕様の道具をつくって渡します”って言ってくれました」と笑った。

 そんなドタバタの状況での出場だったが、2戦とも途中出場できっちり1安打ずつ放って、家族の前で存在感を示した。今月18日には35歳の誕生日を迎える。今年の全パの出場選手の中では最年長だった。「気付けば僕が一番上になっちゃいましたね。やっぱりオールスターは楽しい。何度でも出たいです」。心身ともにタフで献身的にチームを支えるベテランには、7度目の球宴出場を目指して頑張ってもらいたい。(記者コラム・重光 晋太郎)

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