阪神・井上 適時打で首位死守 昇格即プロ初5番でマン振り「結果が出たことも良かった」

[ 2024年5月11日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神4ー3DeNA ( 2024年5月10日    横浜 )

<D・神> 6回、サード強襲の適時内野安打を放った阪神・井上(撮影・大森 寛明)
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 阪神・井上広大外野手(22)が10日のDeNA戦で今季初昇格即日のプロ初5番起用に応え、0・5ゲーム差での首位死守に貢献した。6回1死から三塁強襲の一打で3点目を叩き出し、3打数1安打1打点。控えに回ったシェルドン・ノイジー外野手(29)を発奮させ、途中出場からの決勝打を呼んだ。

 井上は強烈な一撃を素直に喜べなかった。プロ初の5番。家族、親戚を含む計9人が応援に訪れた一戦で奮闘した。

 「結果が出たことも良かった。打席内容としても1打席目からいい当たりで凡打でしたけど次につながる感じだった」

 1点を勝ち越した6回、なおも1死一、二塁。東の2球目、まん中高めカットボールを強振し、痛烈なゴロで三塁手・宮崎を強襲した。打球がファウルゾーンを転がる間に二走・森下を本塁へ迎え入れ、一塁ベースに到達。三塁ベンチからの声に両手を挙げて応えた。側頭部に打球が当たった宮崎が倒れ込んで一時中断し、神妙な面持ちに変わっても、昇格即先発に応える「H」ランプは揺るぎない。

 今年1月。自らの打撃を少しでも変えようとDeNA・大和と牧に弟子入りを志願した。2人から言われたことの共通項は「もっと前で打て」だった。「自分では前で打っているつもりでも、体が捕手方向に反って打っていると。全然ダメだと言われました」。昨季までは速くて鋭く変化する「動くボール」に対応するためボールを引きつけてややポイントを後ろにしていた。2人の金言で基本に立ち返った。

 昨季3戦2勝を許した東との初対戦。昨季の対戦防御率0・78は規定投球回投手で最も抑えられていた難敵に対して1打席目の最初のストライクから内角直球を引っ張り込んで左翼線へ飛ばした。「真っすぐを引っ張ることもできている」。結果はファウルでも確かな成長を示し、岡田監督は「ノーステップ打法がだいぶ自分の感覚ではタイミングとか取れるようになってきたんちゃうか」とうなずいた。

 6回1死の守備ではベンチの指示で戻りかけたところで慌ててUターン。「あれは1回呼ばれて、“やっぱり守れよ”みたいな感じで…」。2死となったところで改めてノイジーと交代し、9回の決勝打ではベンチで声を上げて喜んだ。

 起爆剤として期待された24年の初戦は3打数1安打1打点。「まだ1試合終わっただけ。一試合一試合、自分が出たときはチームの線になれるようにやっていけたら」。高卒5年目の22歳。目指す到達点はもっと上にある。(石崎 祥平)

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