広島・堂林は4番継続! 打率急降下も、新井監督「踏ん張りどころ。頑張ってもらいたい」と信頼は不変

[ 2024年4月25日 06:00 ]

練習を終えて記者の質問に答える広島・堂林(撮影・尾崎 有希)
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 広島・新井貴浩監督(47)は、ヤクルト戦(神宮)が降雨中止となった24日、堂林翔太内野手(32)を引き続いて4番で起用する意向を示した。打率・266まで下がっても、持ち前の長打力に加え、つなぎ役をいとわない献身性や守備力を高く評価。自身も長く打線の軸を務めただけに「心身で疲れていると思うけど、踏ん張りどころ。頑張ってほしい」と期待した。

 5回終了降雨コールドで引き分けた21日の巨人戦。試合前の屋内練習場には、堂林と話し込む新井監督の姿があった。開幕から3割を維持していた打率は・266まで落ちた。それでも4番としての信頼は変わらない。

 「長打を打つ力はあるけど、率や打点、本塁打はあまり求めていない。要は(試合の)どこで打つか。それに昨日もそうだったけど、バントが凄くうまいし、一塁守備もうまい。いろいろできる4番だと思う」

 2―0で快勝した23日のヤクルト戦。9回無死一塁で犠打を成功させた。20日の巨人戦でも4―0の6回無死二塁で一塁線にセーフティーバント(記録は内野安打)を決め、貴重な追加点をお膳立てした。こうした堂林の献身性も指揮官は高く評価。引き続いて4番を任せる意向だ。

 「彼は晩成型。少しずつ階段を上がっていく選手だと思う。自分にも経験があるけど、4番は期待値が高く、心身が疲労する。踏ん張りどころ。頑張ってもらいたい。それだけのものを持っている」

 責任感が強く、慎み深い32歳。開幕から既に18試合で打線の軸に指名され、終盤14試合に抜てきされた昨季の数を超えても、そのスタンスは一貫して変わらない。代打を送られることがあれば、送りバントやエンドランのサインが出ることも。チームの勝利のためなら全てを受け入れる覚悟だ。堂林は言う。

 「他球団の4番と僕は違う。最初から言っているように4番と言うより4番目。その中でつなぐ。何でもやる気持ちでいるので、そこは変わらない」

 打撃の状態は上向きつつある。23日は3打数無安打に終わったものの、新井監督は「良くなっている。1打席目の三ゴロは内容が凄く良かった」と指摘。当の本人も「昨日は凡退したけど、自分の中では手応えのある3打席だった」とし、言葉に力を込めて話した。

 「もちろん(4番として)成績を残さないといけないと思う。自分で還せたら一番いいけど、前後にはいい打者がいる。臨機応変にやっていきたい」

 自己犠牲をいとわない4番だからこそ、チームは結束する。つなぐ野球、打線の中心には選手会長がいる。(江尾 卓也)

 ○…昨季の広島の4番は、22年に113試合で4番だったマクブルームが引き続き開幕4番を務めたが、50試合で打率・220、5本塁打、27打点の不振のため6月11日に2軍降格。以降は西川(46試合)を軸に堂林(14試合)、松山(14試合)、上本(12試合)、デビッドソン(4試合)、菊池(3試合)を起用。4番打者7人はリーグ最多だった。

 ○…堂林は昨年9月12日のヤクルト戦で自身初の4番を務め、シーズン終了までの14試合で打率・200、3本塁打、6打点だった。今季も開幕から出場した18試合は全て4番で打率・266、0本塁打、4打点。堂林欠場の2試合で4番の坂倉は今季2本塁打ながら4番では0本。今季チームの先発4番に本塁打がないのは広島、ロッテ、楽天の3チーム。

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