中日・後藤駿太は“雑音”なぞ気にしない チームの勝利だけを考え積み上げた通算1000試合出場

[ 2024年4月25日 08:00 ]

通算1000試合出場を達成した後藤駿太
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 “雑音”は、気にしない。4月10日のDeNA戦(横浜)で通算1000試合出場を達成した中日・後藤駿太外野手(31)だ。

 「僕は、どんなことを言われてもいいんです。僕のことは、本当にどうでもいいですね。とにかく、このチームで勝つことしか考えていないです」

 今春キャンプ中のこと。「後藤駿太」「雑音」などがX(旧ツイッター)のトレンド入りするなどネット上で賑わった。後藤の打撃や起用方法などを巡るさまざまな意見から始まった騒動だった。実戦で後藤が安打を放てば、今度は「ノイキャン後藤」などとトレンド入り。イヤホンやヘッドホンの機能で、ノイズ(雑音)を低減するノイズキャンセルから付けられたものだった。

 こちらが「嫌な気持ちもすると思うけど…」と心境を尋ねると、後藤は「ヘッドホン型の僕の応援グッズとかを作ってもらえないかなって思ったくらいですね」と、ユニークな表現で笑って応えた。

 悔しい思いを隠していることは想像できた。それでも、自分がどれだけ揶揄されても、騒動に関係した全ての人に迷惑がかからないように配慮して笑いを添えた。気遣いの人柄が表れていた。

 課題の打撃と、ずっと向き合ってきた。何度もレギュラーをつかみかけながら打撃がポイントとなった。周囲から、そう言われることも知っている。手のひらに大きなマメをいくつも作りながら、打撃フォームを試行錯誤してきた。限られた打席で何とか結果を残そうと、相手投手の配球など根気よく研究してきた。守備でもそう。打球の回転や質が異なる外野全てに対応できる準備を重ねている。

 強肩と広い守備範囲を武器に、10年ドラフト1位で前橋商からオリックスに入団。当時の岡田監督(阪神)に評価され開幕スタメンを勝ち取った。NPBの高卒新人外野手の開幕スタメンは、1959年の張本勲以来だった。「出場1000試合の中で、印象深い試合は、やっぱり1年目の開幕戦です」

 チームは4月24日の巨人戦(東京ドーム)で勝利し連敗を5で止め、2位に再浮上した。「どんな形でもチームの勝利に貢献したい」。プロ14年目。後藤の頭にあるのは、中日の勝利だけだ。(記者コラム・湯澤 涼)

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