阪神・村上 白星逃すも完全復調 今季最長の8回、今季最多の112球で1失点 3試合連続のHQS

[ 2024年4月24日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神1―1DeNA ( 2024年4月23日    横浜 )

<D・神>初回、ボール判定に悔しがる村上(撮影・椎名 航)
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 白星は逃しても、完全復調を告げるパフォーマンスだった。阪神・村上は今季最長の8回、同最多の112球を投げて3安打1失点。前回対戦で打ち込まれたDeNAに快投でやり返した。

 「ゲームはつくれてきているので、これを継続できるようにやっていきたいです」

 激闘の末の引き分け後、帰りのバスへ乗り込む際には手応えがにじんだ。2回2死三塁から山本に右前適時打を浴びて先制を許しても崩れなかった。3回以降は完全に立ち直って7回2死二、三塁のピンチでは女房役の坂本と意見交換の上で山本を申告敬遠で歩かせる選択。代打の切り札・大和を147キロの直球で詰まらせて一邪飛に封じた。岡田監督も「点取ったら勝ち投手になれるから」と援護を願い、右腕は8回も続投して最少失点で役割を果たした。

 長打は一本も許さず、チームとしても13試合連続被弾なし。2リーグ制以降では球団最長となる55年の14試合にあと1に迫った。

 自身のシーズン初登板だった2日のDeNA戦(京セラドーム)では、昨年公式戦では一度もなかった初回の失点を含む3回5失点で降板。3週間後の再戦できっちりと修正に成功し「(走者のいない場面でも)クイックを使ったり、変化球を集めたりとか」と好投の要因を口にした。

 9日の広島戦から3試合連続のハイクオリティースタート(7回以上、自責点2以下)を記録するなど昨季のMVP右腕に、もう不安は見当たらない。

 「負けないのが一番なので。チームも連勝中で良かったですし、負けないようにやりたいと思っていたので、そこは良かった。DeNA戦はまだ勝ちはついてないですけど、次に当たる時に勝てるようにやりたい」

 同一リーグで唯一、未勝利のDeNAから白星をもぎ取っての“セ界制覇”は時間の問題だろう。(遠藤 礼)

 ▽1955年のセ・リーグと阪神 投高打低の傾向が強く、阪神はシーズン130試合のうち60試合が2得点以下。7月24日の国鉄戦第2試合から8月13日の中日戦まで14試合連続で被本塁打がなかったものの、得点力を欠き5勝8敗1分け。社会人の全藤倉から入団した西村一孔(かずのり)は期間中8試合に登板し、2完封を含む3勝3敗と奮闘。シーズンではチーム最多の60試合に登板し、22勝(17敗)で新人王に輝いた。

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