阪神・大山 自身最遅75打席目で待望の一発 今季初猛打賞も「まだまだ」 今季初貯金1で、あすにも首位

[ 2024年4月20日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神7-0中日 ( 2024年4月19日    甲子園 )

<神・中>5回、大山は中越えに1号ソロを放つ(撮影・後藤 大輝)
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 阪神は19日、首位・中日に7―0で快勝し、引き分けを挟んで今季初4連勝を飾った。大山悠輔内野手(29)が、5回1死から2番手・福谷の甘い直球をバックスクリーンへ運ぶ今季1号ソロ。今季75打席目にして飛び出した待望の一発だ。2回の左前打、7回の右前打も含めて今季初3安打。今季初の貯金1とした猛虎が、あす21日にも首位に躍り出る可能性が出てきた。 

試合終了から約30分後。大山はヒーローインタビューを終えた青柳、木浪よりも遅くベンチ裏から姿を現した。額には大量の汗がにじみ、両手に手袋をはめた状態で左手にはバットを持っていた。素振りをしていたのだろう。待望の1号ソロを含む3安打猛打賞。それでも重責を担う4番に笑顔はない。

 「よかったですけど、いつも助けられてしかいなかった。まだまだだと思う」

 その言葉には過去18試合の反省が並んだ。ただ復活の兆しを結果で証明。4点優勢で迎えた5回1死からの第3打席。カウント3―1からの5球目だ。2番手・福谷が投じた150キロ直球を完璧に捉えた。打球は瞬く間にバックスクリーンに着弾。既に前夜には自己ワーストとなる21年の開幕から67打席ノーアーチを更新していた。

 試合前時点で打率・159(63打数10安打)、0本塁打、2打点だった。また、チームの本塁打数はリーグトップの10本。その輪の中で取り残されていた。昨季は全試合で4番を務めた主砲は14日の中日戦(バンテリンドーム)では5番に降格。16日の巨人戦(甲子園)から打順は“定位置”に戻りながらも万全ではないコンディションの影響もあって苦しんでいた。その苦境を自ら打破。75打席目にして飛び出した一撃に加えて2回無死からの第1打席では左前打、7回1死一塁からの第4打席では右前打を放った。すべて真っすぐを捉え、広角に打球を打ち分けて今季初の3安打の固め打ちだ。

 「バッティング練習だったり、何が良いかなというのを常に考えながらなのでいろいろ試しながらやってきているという感じ」

 この日の試合では1打席目から足を上げる打撃フォームからすり足に変更していた。試行錯誤を続けながらも復調の兆しがあった。「(ホームランが出そうな雰囲気は)ありました、ありました。フリーバッティング見ててもね」。岡田監督の“予感”も最高の結果となって表れた。

 チームは引き分けを挟み今季初の4連勝で、今季19戦目にして初の貯金生活だ。「今度は少しでも自分が助けられるような打席、試合にしたい」。そう連覇を狙う虎の4番は誓った。この試合をきっかけに本調子に戻れば、猛虎打線は手がつけられなくなる。 (石崎 祥平)

 《あす21日にも今季初めて首位へ》阪神は今季最多タイ7得点に4度目の無失点と、投打がかみ合って快勝。4連勝で今季初の貯金1とした。阪神はきょう20日、あす21日と中日3連戦に全勝した場合、巨人が広島戦2試合で勝率5割以下なら、今季初めての首位に浮上する。

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