赤星憲広氏 中野は併殺を恐れず自分の打撃貫け 調子は決して悪くない、普通に打てばいい

[ 2024年4月12日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神0ー1広島 ( 2024年4月11日    甲子園 )

赤星憲広氏
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 【赤星憲広 視点】結果的に阪神は試合の流れを引き寄せられなかった。初回2死二塁で大山の左越えかという飛球を、秋山の背走キャッチに阻まれると、7回の佐藤輝の右中間への当たりも久保がフェンス激突で捕球。最終回も先頭・中野の打球が上本のファインプレーで防がれた。相手に3度のビッグプレーが出たことが競り負けた要因になった。

 点が入らないときに大事になるのは守りと走塁。広島はそれを実践した。それに対し阪神は3回無死一塁で西勇が送りバントに失敗し、木浪、近本のヒットも得点とはならない。9回、広島の決勝点が4番・堂林の初球送りバント成功が絡んだのとは好対照だった。

 少し気になったのは、走者を置いたときの中野の打撃だった。初回無死二塁で左飛、3回1死一、二塁でも本来の姿とは違う打撃で一ゴロに倒れた。何とかして、走者を進めないといけない…と思うあまり、中野の良さが出ていなかった。

 走者がいないときには6回の右翼フェンス直撃二塁打など、しっかりと打てている。決して調子が悪いわけではない。ただ、ここまで3併殺打を記録していたことが、どこか頭に残っている感じがする。私も星野阪神でリーグ優勝した03年に自己ワーストの15併殺打を記録し、考え込んだ時期があった。マイナス思考に入ると悪循環に陥る。岡田監督は走者を進める場面と判断したらバントを指示する。それがないなら普通に打てばいい。併殺を怖がらず、自分の打撃で勝負してほしい。

 きょうからの中日戦で対戦が一巡する。勝負はまだまだこれから。チームとしても、守りと走塁の意識を持って、じっくり戦うことが大事だ。(スポニチ本紙評論家)

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