広島・田村 思い出の甲子園でプロ初V撃 9回決めた!プロ初適時打が千金三塁打「自分で決めるんだと」

[ 2024年4月12日 06:00 ]

セ・リーグ   広島1ー0阪神 ( 2024年4月11日    甲子園 )

<神・広>9回2死二塁、中越えに先制適時三塁打を放つ広島・田村(撮影・北條 貴史)
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 広島・田村俊介外野手(20)が11日の阪神戦でプロ初の決勝打を放ち、しびれる投手戦にケリをつけた。0―0の9回2死二塁でプロ初の適時打となる値千金の中越え三塁打。7回零封した大瀬良大地投手(32)の後を受け、8回に救援した島内颯太郎投手(27)が2勝目。9回を締めた栗林良吏投手(27)は3セーブ目だ。チームは2連勝で借金1。昨季2勝9敗1分けと苦しんだ甲子園で早くも2勝目をつかんだ。

 快音を発した打球は前進守備を敷く中堅・近本の頭上を越えていった。0―0の9回に売り出し中の田村が、しびれる投手戦にケリをつけるプロ初の決勝打。思い出の甲子園での初のヒーローインタビューに、20歳ははにかみながら答えた。

 「抜けろという気持ちで(打球を)見ていました。前の打席までチャンスで凡退していたので、最後は絶対に自分で決めるんだという気持ちでした」

 代打・松山が7球粘って空振り三振に倒れた2死二塁の場面。阪神・ゲラの「真っすぐの見え方」を師匠に確認し、スライダーが2球続いたカウント1―1から、155キロの内角高め直球を捉えた。一気に三塁を陥れ、相手側のリクエストにも判定は覆らなかった。

 「速い球に振り遅れないようにとは思っていた。基本真っすぐから入り、それが結果につながって良かった」

 愛工大名電3年だった21年夏、東北学院(宮城)との初戦で右中間最深部に本塁打を放った舞台に、プロとして3年ぶりに戻って来た。阪神との前2試合は安打こそ1本ずつ放ったものの、いずれも逆方向。いきおい、この日の試合前に打撃コーチを伴ってブルペンで打ち込み、それが奏功した。

 「昨日まで差し込まれるというか、逆方向にしか打球が飛ばなかったので、タイミングを取る動きを小さくして振る練習をした。成果が出たのかな…と」

 緊迫した投手戦を制し、就任2年目にして敵地・甲子園で初のカード勝ち越し。新井監督は土壇場で決勝打を放った田村を「あの場面で本当によく打った。もともと速い真っすぐに振り負けない力を持った選手。試合前に室内で打ち込み、1打席目から内容は良かった」と目を細めた。

 「課題ばかり出ているので、それを一つずつつぶしていって、悪いところが出ないようにと思っている。最後はいい形で終われたので、明日にしっかりつなげるようにしたい」

 3月の欧州代表との強化試合で侍ジャパンに初選出された高卒3年目のホープ。いざ、スター最前線へ。その大仕事はまだ緒に就いたばかりだ。(江尾 卓也)

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