西武「8回の男」甲斐野の流儀 “野球の神様”はきっと見ている

[ 2024年4月8日 08:00 ]

2日のオリックス戦。8回、無失点の好投を見せ、笑顔でベンチに戻る甲斐野(撮影・久冨木 修) 
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 野球の神様はきっと見ているはずだ。西武・甲斐野央投手(27)は球場や選手通路など、落ちているゴミを見つけると、拾ってポケットに入れる。東洋大姫路(兵庫)時代からの教えで「球場がきれいになったらいいと思うし、心もきれいになるので」と今も変わらず続けている。

 2月の春季キャンプではブルペン投球を終えると、すぐさまトンボとブラシをかける姿があった。グラウンド整備をしてくれるスタッフはいるが、自分で使ったマウンドは自分でならす。「ホークス時代からずっとやってきたこと。自分でやらないと気持ち悪いので、次の人が気持ち良く使ってほしい。整備の時間はつくれるし、やるべきことの1つですね」。自身の仕事場を何よりも大切にする。それが甲斐野の流儀だ。

 ソフトバンクにFA移籍した山川の人的補償として加入した160キロ右腕。新天地で迎えた3月29日の楽天との開幕戦で1点リードの8回に移籍初登板。1回1安打無失点とし「本当にいいスタートが切れた。結果が全てなので、リードを守れるようにやっていきたい」と順調な滑り出しを見せた。

 2日の本拠地ベルーナドーム開幕戦は8回のマウンドに向かうと、西武ファンからは地鳴りのような「甲斐野コール」に背中を押された。初の本拠地登板を無失点で終え、「凄いプレッシャーですね。もう、凄いプレッシャー。声がもう凄い」と笑いながらも安堵(あんど)した。西武はブルペンがファウルゾーンにあるため、歓声が近い。「楽しみにしていた」と言う「チャンステーマ4」も生で聞き「めちゃくちゃ声でかいっすね。びっくりしたっす。心の中で歌ってました。もの凄い声援は力になります」と感謝する。

 球場も、マウンドも、ファンも大切にする男は「8回の男」としてブルペンを支え、開幕から5試合連続無失点中。早くも必要な不可欠なピースとなっている。(記者コラム・福井 亮太)

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