楽天 3勝中2勝がサヨナラ 小深田が念を込めたバットで鈴木大が移籍5年目で初劇打

[ 2024年4月8日 05:27 ]

パ・リーグ   楽天3―2ソフトバンク ( 2024年4月7日    楽天モバイル )

<楽・ソ>9回、鈴木大(右)がサヨナラ打を放ち水シャワーを浴びる(撮影・篠原岳夫)
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 楽天が本拠を置く仙台の桜が開花したのは2日。試合前に今江監督が「例年より開花はちょっと遅いですね」と冗談めかした低調な打線が、劇的勝利で花開いた。

 2―2の9回1死二塁、鈴木大が沢柳のフォークを右翼線に運ぶ二塁打。跳びはねて喜んだ野手最年長の34歳のベテランは「最後の最後いいとこ取りみたいになっちゃいましたけど。みんなの思いもあったので力になった。本当に幸せ」とナインから水を浴びせられ、球場には今年復活したジェット風船が舞った。

 「6番・三塁」で今季初の先発出場。これが今季9打席目での初安打で、移籍5年目で初めてのサヨナラ打だった。「うれしかった。みんなに感謝する一打席でした」。8試合目で初の2桁安打となった12安打目だった。

 バットには念が込められていた。決勝打の直前、ファウルで折れてベンチに新しいものを取りにいくと、小深田が袋から出した新品を顔の前に立て、祈るように両手で強く握りしめていた。「僕も笑っちゃいましたけど…。おかげで打てました」。試合前までのチーム打率・178は12球団ワーストで3連敗中と泥沼だったが、前日の寒空から一転した、最高気温20度のポカポカ陽気のように、ナインが躍動した。

 ロッテ時代は選手として戦った今江監督は「まだダメ」と開花宣言しなかったが「ベテランがチームを救ってくれた」と称えた。今季3勝のうち2勝がサヨナラ。鈴木大は「ベンチのみんなも出てきてくれて最高の気分。全員で頑張っていく」。最下位も脱出し、笑顔満開だった。 (神田 佑)

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