広島は西川龍馬の人的補償で日高暖己投手を獲得 「山本由伸2世」将来有望な19歳高卒2年目右腕に期待

[ 2024年1月6日 05:45 ]

広島がオリックスから人的補償で獲得した日高
Photo By スポニチ

 広島は5日、国内フリーエージェント(FA)権を行使してオリックスに移籍した西川龍馬外野手(29)の人的補償として日高暖己投手(19)の獲得を発表した。背番号は未定。球団幹部は「山本由伸2世」として将来有望な高卒2年目右腕に期待を込め、先発陣の中心的存在へと成長する未来図を思い描いた。

 将来性を見込んでの獲得だった。新人だった昨季は1軍出場がなく、今季が高卒2年目を迎える日高を指名した理由を松田元(はじめ)オーナーが期待を込めて明かした。

 「強い球を投げられるし、球速もまだまだ上がると思う。投手は何人いてもいい。先発ローテーションをしっかりしないといけない。今は25、26歳のかたまりがある。次の世代を集めたい。新しい子を入れていけば良くなると思う」

 69人に達した支配下枠のうち投手で24~26歳は13人、23歳以下は日高を加えて9人。比較的手薄だった層を厚くした。鈴木清明球団本部長は「監督とヘッドコーチにも(リストの)全選手を見てもらった」と首脳陣の意向もくんだことを明かし、「(山本由伸に)似ている。何年後かに(先発で)柱になる選手になってくれたらなという期待感はある」と成長を願った。

 日高は最速148キロの本格派右腕で、チームメートだった山本由伸(ドジャース)を参考に投球フォームも似て“由伸2世”と呼ばれていた。富島時代から憧れ、1年だけ同じユニホームを着た昨季は山本の準備の仕方を見て学び、取り入れてきた。ウエスタン・リーグでは12試合に登板して1勝1敗、防御率3・15。今冬には台湾でのウインターリーグに参加し、技量向上へ鍛錬を重ねてきた。新天地への移籍が決まり、オリックスを通じて決意を新たにした。

 「今回の話を聞いて、ただびっくりしているというのが率直な気持ち。やることは変わらないと思うので、ファンの方々に応援していただけるように、これからも頑張っていきたい」

 人的補償では、14年オフに巨人からヤクルトに移籍した奥村展征と並んで最年少。伸びしろ十分の有望株が新たに“家族”の一員に加わった。(長谷川 凡記)

 ◇日高 暖己(ひだか・あつみ)2004年(平16)9月16日生まれ、宮崎県出身の19歳。小1から細島スポーツ少年団でソフトボールを始める。富島中では軟式野球部で内野手兼投手。富島では1年秋からベンチ入りし、3年夏に甲子園出場。22年ドラフト5位でオリックス入り。1軍出場なし、2軍通算12試合1勝1敗、防御率3.15。1メートル83、74キロ。右投げ左打ち。

 ○…プロ1年目のオフにFA補償選手として移籍するのは、14年の奥村展征(巨→ヤ)、17年の尾仲祐哉(D→神)に次いで日高が3人目で、高卒では奥村以来2人目。1軍未経験の選手では95年川辺忠義、10年高浜卓也、前記奥村に次いで4人目。

 《広島が過去に人的補償で獲得した選手》
 ☆赤松真人 08年1月、阪神へ移籍した新井貴浩の補償で獲得。俊足を生かした守備で外野のレギュラーをつかみ、09年は初の規定打席に到達。10年はゴールデングラブ賞を獲得した。19年限りで引退後は広島でコーチを務める。

 ☆一岡竜司 加入1年目の14年は31試合で防御率0.58。17、18年には各59試合に登板してリーグ3連覇に貢献し、巨人へ移籍した大竹寛をしのぐ活躍を見せた。23年限りで引退して球団に残り、データ分析を行うアナリストに転身。

 ☆長野久義 巨人入りした丸佳浩に代わり、19年1月に入団。年俸2億2000万円はFAの補償選手では最高額で、戦力減を最小限にとどめたい球団の意図が見えた。4シーズン在籍し、22年オフに無償トレードで巨人へ復帰。

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2024年1月6日のニュース