「早実のヨシノブ」が早大主務に 中原由信マネジャーが集合天才で目指す「春から優勝」
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東京六大学野球リーグの早大は5日、西東京市のグラウンドで始動した。練習開始前には東伏見稲荷神社を参拝。新チームから主務を務める中原由信マネジャー(3年)は「やっぱり気が引き締まります。去年と同じ道を歩いて“もう1年経ったのか”という思いが強かった。勝ちたいと思いながら祈祷を受けました」と気持ちを新たにした。
「主務」。大学スポーツファンでなければ、聞き慣れない言葉かもしれない。
選手たちをまとめ上げるリーダーが「主将」であり、野球部の運営を担い、部外との窓口も担当するマネジャーたちのトップを「主務」という。高校より「自主性」を求められる大学野球部では重要度の高い存在だ。選手だけではなく主務にも1人、1人にドラマがある。
真夏の太陽がギラギラ光った2020年8月1日。東京の春夏合わせて50度の甲子園出場を誇る名門・早実の3年生遊撃手だった中原は、高校野球の「ど真ん中」にいた。西東京大会の4回戦、明大中野八王子戦に「6番・遊撃」で出場した左打者は4回に先制打、そして6回には公式戦初アーチとなる右越えソロを放った。父・信博さんが大の巨人ファンで元巨人監督・高橋由伸氏が名前の由来。当時の「スポニチ」記事でも“早実のヨシノブ”と記されている。早実での2年半で甲子園出場はならずも野球への情熱は尽きなかった。直球に振り負けない強打が売りの遊撃手は東京六大学野球の早大野球部に進んだ。
神宮でプレーする夢を抱き、東伏見のグラウンドで汗を流していた入部当初の21年4月。練習中にいきなり「爆弾」のリミットが来た。激しい痛みの正体は右膝の分裂膝蓋骨。膝のお皿の骨(膝蓋骨)が分かれてしまう疾患だった。高校時代にも兆候があり治療期間を挟むこともあった。何とかプレーを続けてきたが、ついに限界を迎えていた。治療から本格復帰までには1年以上かかる見込みで、元のように全力でプレーできる保証もない。「ショートには(1学年上に)熊田さんがいた。(ケガ持ちの)自分の貢献度合いを考えた時、マネジャーとして貢献していくことが自分のため、チームのためにもなると思った」と入部早々の転身を決心した。
大好きだった野球はもうプレーできない。それでも中原は前向きだった。「勉強ができる自信はあったんですけど、親に甘えて育ってきたので抜けているところがあった。マネジャーとして経験を積むことで勉強以外の部分で学びを得られると思いました」。裏方としてチームを支えることで人間として成長することを目指した。
大学野球のマネジャー業務は多岐にわたり、高いクオリティも求められる。また「強いチームに優秀なマネジャーあり」とされるほど、チームにとって重要な存在である。ホームページ、ツイッターなどSNSの運営から報道対応、チーム運営のための会計、日程調整…。選手として猛練習に耐えてきたタフさを持つ中原でも「イメージにギャップはなかったんですけどやることが多いなと…オープン戦の編成から運営まで全部やる。行動量、必要な知識量に関して驚きました」と舌を巻いた。
3年になった昨夏には新潟キャンプに帯同。普段通りのチーム運営はもちろん、キャンプ先で人数が限られているため、ジャージに着替えてバッティングピッチャーも務めた。OBによる練習視察の予定があれば送迎もした。宿舎でもグラウンドでも目の回るような忙しさの中、休むことなく過ごした2週間。「終わった時には達成感があった」と忘れられない思い出になった。
同学年マネジャーの神田航、藤田南と相談を重ねた上で、昨秋の新チーム始動時から主務に就任した。24年は東京六大学野球の「当番校」を早大が務める重要な年。チームを束ねる主務、会議への出席などリーグ運営に深く関わる「当番校」の役割を同時にこなすことは大変だが「経験できることはラッキーだと思う」と底抜けに前向きである。
マネジャーとして月日を重ね、自分のスタイルを見つけた。「1人が有能で引っ張るっていうのも、もちろん大事だと思うけど1人でできることは限られている。皆でコミュニケーションを取って、ミスや細かいことに関してもちゃんと全部言えるかが、大事。自分は“聞く人間ですよ”ってアピールしてきたつもりなので、みんなで協力してやっていきたい」と集合天才を目指す。
元選手として忘れられない一打がある。早実の3年夏が終わった後、始めて神宮のグラウンドに立った東海大菅生とのお別れ試合。完璧に捉えた打球は惜しくもポールの外側を切れる大ファウル。「もう少し内側に打ってダイヤモンドを回りたい」。その気持ちが大学でも野球を継続した原点だった。いまはグラウンドの外が己のポジション。それでも「今年は春から優勝したい」と野球への情熱は変わらない。(柳内 遼平)
◇中原 由信(なかはら・よしのぶ)2002年6月14日生まれ、東京都出身の21歳。4歳で野球を始め、桜道中時代は荒川シニアに所属。早実では遊撃手としてプレーし、高校通算5本塁打。早大では1年時にマネジャーに転身し、3年秋に主務就任。
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