西武・山川穂高がFA宣言決断「重い責任を持ち続ける覚悟」 申請期限最終日に書類提出

[ 2023年11月14日 18:52 ]

西武・山川
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 西武は山川穂高内野手(31)が、今オフに取得した国内フリーエージェント(FA)権を行使したと発表した。申請期限最終日となったこの日、申請書類を球団に提出した。今季は女性問題による不祥事で17試合の出場にとどまった通算218本塁打の大砲。ソフトバンクらが本格調査しているとみられ、争奪戦は必死だ。

 熟考を重ねて選んだのはFA権行使だった。他球団の評価を聞いた上で新天地でのプレーを模索していく。これまでFA権行使には「家族の意見も含めて、しっかりと考えていかなければいけない」と話していたが、ついに決断した。

 不祥事に揺れ動いた1年。今季は5月に知人女性への性的暴行問題が発覚。9月に球団から1、2軍公式戦の無期限出場停止処分を受けた。17試合の出場で8年ぶり2度目の本塁打なしでシーズンを終えた。世間からは厳しい声が飛び、10月5日には自らの希望で謝罪会見。けじめの場とし「全ての意見を真摯(しんし)に受け止めてやっていく」と現実と向き合った。引退の2文字もよぎったが「僕には野球しかない。やっぱり野球で取り返すしかない」と踏みとどまり、支えてくれた人たちにバットで恩返しすることを誓った。

 1、2軍戦の出場停止処分のまま、10月のフェニックス・リーグで約5カ月ぶりに実戦復帰。同15日のオリックス戦で本塁打を放つなど、若手に交じって9試合に出場し、打率・375、2本塁打、6打点をマークし「充実していたし、野球をまたやれたので良かった。そこそこ打てたかな」と話していた。

 西武は既に来季の契約条件を提示済み。宣言残留を認める方針だが、単年契約で大幅減俸となる見通し。一方で、ソフトバンら複数球団が西武より高い評価をする可能性がある。交渉が解禁となる16日以降、本格的な争奪戦がスタートする。

 以下、球団が発表した山川の談話。

 この度、私が取得させて頂いたFA権の行使について、皆様にお伝えさせて頂きます。結論を先に申し上げますと、今回、FA宣言をさせて頂くことを決断致しました。皆様に多大なる不快な気持ち、不信感を生んでしまった一連の出来事を通じて、ただ野球をするということだけではなく、関係する全てのことを、自分ひとりで考え、また、家族と考えさせて頂きました。野球から離れることだけではなく、社会から離れることまでも考えました。

 それでも、私の心から消えずに残り続けたことは、野球がやりたい、野球をさせて頂きたいという答えでした。プロ野球選手として恥ずべきことですが、ここまでの気持ちになったのは、これまでの野球人生で初めてのことです。この私の意志を受け入れて頂けることがあるならば、ライオンズに居続けることが、ファンの皆様、球団の皆様に対する感謝の形、謝罪の形、誠意であるということも考えています。

 同時に、FA宣言が持つ、選手の権利として定められた制度という理解を超え、これまで聞くことがなかった声をお聞かせ頂くことで、自分自身を戒めることとなるのではないかとも考えました。FA宣言により西武ライオンズ以外の球団の考えを聞いた上で、残留か移籍の判断をさせて頂くことは、新たな野球人生へと歩ませて頂きたいという、私の一方的な願い、自分本位な意思のように聞こえてしまうであろうことも、重々承知しております。

 それでも、私が宣言させて頂くことで、何より、私自身のこれからの野球人生に対して、重い責任を持ち続けることの覚悟であることを、どうか少しでもご理解いただけたら幸いです。

 結びになりますが、ご伝達が遅れましたことにつきまして、誠に申し訳ございませんでした。お待ちいただき、また、ご心配いただきましたこと、心より感謝申し上げます。

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