“虎の若武者”エスコンで輝いた!!阪神・前川奮闘マルチ 右翼守備も軽快「いい緊張感を持って守れた」

[ 2023年6月10日 05:15 ]

交流戦   阪神0―4日本ハム ( 2023年6月9日    エスコンF )

<日・神>初回、前川は右前打を放つ(撮影・北條 貴史)
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 スタンドインまであと1メートル。いや50センチだった。4点劣勢の8回2死無走者。阪神・前川は1ボールからまん中高めにきた3番手・池田の149キロの直球をフルスイングした。結果は空振り。ただ、すぐに気持ちを切り替えていた。

 「(もっとコンパクトなスイングに)修正しないといけないと」

 続く3球目だ。今度は外角149キロの直球にうまくコンタクトして、振り抜いた。エスコンフィールドに快音を残した打球は、失速することなく左翼フェンスの上部に直撃する二塁打。チーム唯一のマルチ安打は、自身にとっても2試合連続マルチ安打。底知れぬ20歳の若武者が、北の大地でもまばゆい輝きを放った。

 チームは今春のオープン戦でもエスコンフィールドで実戦はなく、この交流戦が初陣。その初回だ。2死無走者の場面の2ボール1ストライクからの4球目。アンダースロー右腕・鈴木の内角直球に詰まらされながらも右前へ落とし、連続安打を3試合へ伸ばした。新スタジアムで虎戦士がマークした安打第1号にもなった。ただ、その後の走塁ミスが悔やまれる。

 一走として次打者・大山の中前打で積極的に三塁を狙った。だが、中堅・江越の好返球でタッチアウトとなり「次(5番)のバッターが輝さんだったので、もうちょっと周りを見ていけていたら…」と猛省。それでも初めて先発出場で就いた「右翼」のポジションでは4度の打球処理を無難にこなし「いい緊張感を持って守れた」とうなずいた。

 上半身のコンディション不良から復帰初戦となった昨年の6月9日にウエスタン・オリックス戦でプロ1号を放った。あれから1年。今は1軍の「3番」として躍動する。10日の相手は侍ジャパン右腕の伊藤と対峙(たいじ)する。「しっかり一打席、一打席、頑張ります」。大志を抱き、前進を続ける。(石崎 祥平)

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