一関学院 京都国際・森下攻略!サヨナラ勝ち 夏103年ぶり岩手勢が京都勢に白星

[ 2022年8月7日 04:03 ]

第104回全国高校野球選手権大会第1日・1回戦   一関学院6―5京都国際 ( 2022年8月6日    甲子園 )

<一関学院・京都国際>サヨナラ勝ちに喜ぶ一関学院ナイン(撮影・奥 調)
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 甲子園のボルテージが最高潮に達した。同点の11回1死二塁。9回から救援した一関学院の寺尾皇汰(2年)がバスター打法で内角直球を中前に運んだ。本塁送球より一瞬、早く二塁走者が生還。3年ぶりに一般客が詰めかけた聖地の銀傘に、拍手と歓声が響いた。

 「最後まで振り抜いて内野の間を抜くことができました」
 9回途中から小野涼介(2年)を救援し、同点とされ突入した今大会初の延長戦。10、11回を無失点でしのぎ、バットで勝利をもぎ取った。昨夏4強で、今大会の優勝候補にも挙がった京都国際撃破の要因は、今秋ドラフト候補左腕の森下瑠大(3年)攻略だった。

 1点を追う初回。1死走者なしから3連打など4安打で3点を奪って逆転。3回も1点を加えて注目左腕をKOした。甲子園初采配だった高橋滋監督は「最後まで集中力を切らさずに、戦ってくれた」とナインを称えた。

 大物キラーだ。ノーシードだった岩手大会は6試合で10本塁打。決勝は「岩手の怪腕」と称される盛岡中央の最速152キロ右腕・斎藤響介(3年)を攻略し、12年ぶりの聖地をつかんだ。大舞台でも大物左腕をKOし、20年ぶりの初戦突破。夏の甲子園で岩手県勢が京都勢に勝つのは実に103年ぶりだった。

 森下から2安打2打点など3安打の4番・後藤叶翔(かなと=3年)は「先輩が優勝したところを見たので、甲子園にいけなかった分まで頑張ろうと臨みました」と言った。コロナ禍で大会が中止となった20年夏。岩手の独自大会は制したが、もちろん聖地への道は閉ざされたままだった。そんな先輩らの思いも背負うナインが、初の夏2勝に挑戦する。

 《3度全てサヨナラ勝ち》一関学院が京都国際に延長11回サヨナラ勝ち。甲子園で岩手勢が京都勢に勝つのは72年春に専大北上が1―0で花園を破って以来。夏に限ると1916年の一関中3―2京都二中、1919年の盛岡中4―3同志社中以来103年ぶり3度目で全てサヨナラ勝ちとなった。なお、16年は豊中グラウンド、19年は鳴尾球場で開催されている。

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2022年8月7日のニュース