ソフトB・大関、左精巣がん疑いで手術 藤本監督「早く復帰できることを願うだけ」

[ 2022年8月4日 04:45 ]

ソフトバンク・大関

 チームに衝撃が走った。ソフトバンクは3日、大関友久投手(24)が左精巣がんの疑いで2日夜に福岡市内の病院で左睾丸の高位精巣摘除術を受けたと発表した。手術は成功し1週間の入院が必要としており、競技復帰時期は未定。育成出身の3年目左腕は今季15試合に先発し6勝6敗、防御率3・01。球宴にも初出場し、5日からの楽天3連戦でも先発予定に入っていただけに、藤本博史監督(58)は先発ローテーションの組み替えを示唆した。

 大関が「左精巣がんの疑い」で長期離脱は避けられなくなった。3日午後、球団は大関が2日夜に「高位精巣摘除術」を受け左精巣を全摘出したことを発表。復帰時期は未定とした。

 池田優介広報室長代行によると、大関は7月31日ごろから左の睾丸(こうがん)にしこり、違和感を感じ8月1日に泌尿器科を受診した。その際に腫瘍が見つかり、悪性の可能性もあったため2日に別の病院を受診。検査した結果、やはり悪性の腫瘍の可能性が排除できないため手術に踏み切ったという。

 同室長代行は「今の段階で復帰のタイミング、時期は見えていませんが、命に関わる可能性もあったことなので球団としてはメンタル的な部分も含めて復帰に向けてケア、サポートに向けて体制を整えてやっていきたいところです」とも話した。早期の発見だったために現時点での転移の確認はされなかったという。1週間程度の入院後に、体調を確認し様子を見る。

 大関は19年の育成ドラフト2位で入団し21年5月に支配下登録。3年目の今季は先発ローテーションの一角として2度の完封を含む6勝を挙げ、藤本監督は前半戦の投手MVPに挙げていた。球宴には監督推薦選手として初選出。7月26日の第1戦、本拠地ペイペイドームで先発した。ただ直近2試合は不振だった。同20日の楽天戦では2回8失点、同30日の西武戦は2回1/3、4失点とゲーム前半で降板していた。

 大関が登板するはずだった5日からの楽天3連戦には、4日に先発予定だった武田を回す。4日はレイが緊急先発する。

 この日の日本ハム戦前に、藤本監督は大関の症状を1日に知ったことを明かした。「早く見つかってよかったし、早く復帰できることを願うだけ。本人が一番つらい。こっちは痛いけど、その分、みんなが頑張ってくれたらいい」。気遣いながら、離脱を嘆いた。新たな苦境を、チーム一丸で乗り越えていく。(井上 満夫)

 【がんを克服した 主なプロ野球選手】
 ☆01年岩下修一(オリックス)=急性骨髄性白血病 抗がん剤治療で克服し、02年に1軍復帰。
 ☆16年赤松真人(広島)=胃がん オフの人間ドックで発見。18年には2軍で55試合に出場。
 ☆17年横田慎太郎(阪神)=脳腫瘍 半年にわたる入院生活を経て寛解。育成選手として復帰目指し19年限りで現役引退。
 ☆19年原口文仁(阪神)=大腸がん オフの人間ドックで発見。手術、リハビリを経て6月に1軍復帰。球宴にも「プラスワン投票」で3年ぶり出場し2試合とも本塁打。

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