古田敦也氏以来、ヤクルト15年ぶりに帰ってくる背番号27

[ 2022年5月3日 07:30 ]

新背番号27のユニホームでキャッチボールする中村悠平
Photo By スポニチ

 いよいよ「日本シリーズMVP男」が戦列復帰する。下半身の張りで離脱していたヤクルト・中村が1日、開幕後では初となる1軍合流。体調面に問題がなければきょう3日に出場選手登録される。

 中村の1軍昇格は同時にヤクルトの背番号「27」が15年ぶりに復活することを意味する。球史に残る名捕手である古田敦也氏が07年まで18年間背負っ以降、“準永久欠番”のような形で誰も背負うことができなかった。

 その古田氏が初めて臨時コーチとして参加した21年の沖縄・浦添での春季キャンプ。グラウンドでの実技、宿舎に戻ってからのミーティングと野球漬けの日々を送り、中村は「その気になれ。捕手で勝たせるんだ」という金言まで授かった。

 「その言葉を胸に、ずっとやってきた」と振り返る中村は同年のシーズンでチームトップの打率・279を記録。守備でも巧みなリードで前年は12球団ワーストのチーム防御率4・61だった投手陣を同3・48まで改善させた。6年ぶりリーグ優勝の立役者の一人となり、20年ぶりの日本一に輝いた日本シリーズではMVPに輝いた。

 同年オフには球団から背番号「27」の提示を受け、古田氏と食事する機会にも恵まれた。強い思いを胸に秘める今年は3月中旬に故障して開幕1軍は外れたが、地道なリハビリと2軍戦5試合を経て、1日に雨天中止となったDeNA戦(神宮)の試合前練習に参加。久しぶりに1軍メンバーと顔を合わせた。

 中村不在の間、古賀、内山壮ら若手が貴重な経験を積んだ。2位のチームは今週は阪神、巨人との敵地6連戦。本拠地でのお披露目は10日の中日戦(神宮)からになる。戻ってくる扇の要が、安心感と安定感をもたらす。(記者コラム・川手 達矢)

続きを表示

2022年5月3日のニュース