日本ハム・ドラ8北山 プロ4試合目で待望のプロ初勝利!開幕投手の経験生き「最高でーす!」

[ 2022年4月7日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム3―2ロッテ ( 2022年4月6日    札幌D )

<日・ロ>ウイニングボールを手に新庄監督と写真に納まる北山(左)(撮影・高橋茂夫)
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 日本ハムのドラフト8位ルーキー・北山亘基投手(22)が、待望のプロ初勝利を挙げた。6日のロッテ戦で、同点の9回に4番手で登板。1死から安打と打撃妨害で一、二塁のピンチを迎えたが、後続を抑えて9回裏のサヨナラ勝利を呼び込んだ。昨秋のドラフト支配下指名77人中76番目から地道に這い上がった右腕が、プロ4試合目の登板で堂々の1勝をつかんだ。

 初々しかった。ヒーローインタビューで温かい拍手が贈られると、北山は帽子を取ってあいさつ。律儀にボードの後ろにまで回り込んで、スタンドのファンに会釈した。カメラの位置も分からない。インタビュアーにお立ち台の景色を聞かれると「最高でーす!」と、満面の笑みで応えた。

 マウンドでは、新人らしからぬ投球をみせた。2―2の9回から登板。1死から安打と打撃妨害で一、二塁のピンチを背負ったが、右腕は「ミスは誰にでもある。気にしても仕方ない」。続く岡を135キロのスライダーで冷静に遊ゴロ併殺に打ち取り、その裏のサヨナラ劇を呼び込んだ。

 名前は「亘基」と書いて「こうき」と読む。漢字を分解すると「一日一基」となり、北山の祖父が「毎日毎日を大事に過ごしなさい」の思いを込めて命名したという。京都成章では指名漏れし、進学した京産大では自費で解剖学書を購入。自身の成長のため、一日一日を大切にしてたどり着いた舞台だった。

 プロ入り時に新調したグラブには「一日一基」の刺しゅうを入れている。「僕の大事な言葉です」。その言葉通り、キャンプは2軍スタートも焦らず、与えられた登板機会で地道に信頼を積み重ねた。その成果が、先月25日のソフトバンク戦の開幕投手でもあった。

 劇的な幕切れでウイニングボールは相手が持ち帰っていたが、ロッテベンチまで取りに行った新庄監督から笑顔で「おめでとう」と手渡された。「家族に渡したいですね」と北山。下位指名からの成り上がりへ、大きな一歩を踏み出した。(清藤 駿太)

 ≪恩師も祝福「あそこからよくここまで」≫日本ハム・北山の恩師も初勝利を祝福した。大学4年間を指導した京産大前監督の勝村法彦氏は、自宅でテレビ観戦。記念すべき1勝を見届け「勝った瞬間、ドラフトの当日を思い出した。77人中76番目に呼ばれて。あそこからよくここまできた」と、しみじみ語った。毎オフあいさつに訪れる教え子のオリックス・平野にも、北山の入学が決まった当時「平野に近づけるような投手が来るぞ」と伝えていたという。恩師は、平野と同じくクローザーを担う北山がその言葉を実現する日を願っている。

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2022年4月7日のニュース