広島ドラ6・末包 初の社会人ベストナイン フルスイング貫き目指すはポスト誠也

[ 2021年12月23日 05:30 ]

ミス日本グランプリの松井朝海さんと記念撮影する大阪ガス・末包(撮影・木村 揚輔)
Photo By スポニチ

 2021年度社会人野球表彰(主催・日本野球連盟、共催・スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社、協賛・シチズン時計)の表彰式が22日、東京都千代田区のKKRホテル東京で行われた。広島からドラフト6位指名を受けた大阪ガス・末包(すえかね)昇大外野手(25)が初のベストナインを受賞。プロでもフルスイングを貫き、1年目からレギュラー定着を目指す。

 入社3年目で手にした初のベストナイン。大阪ガスの主砲・末包は、トロフィーを受け取ると表情を崩し「都市対抗では成績が落ちてしまったので“どうかな”と思っていた。社会人に入って憧れていた賞なのでうれしい」と喜びを口にした。

 今季は打席内での考え方に変化があった。「一番変わったのは凡打でも三振でもアウトはアウト。三振しても切り替えて次の打席に立つことを心掛けた」。日本選手権では打率・450、7打点をマークし打撃賞を受賞。チームの2大会連続優勝に貢献した。ドラフト後に開幕した都市対抗では1回戦の伏木海陸運送戦でバックスクリーンに運ぶ豪快弾。2回戦のJFE東日本戦では4打席連続三振を喫しチームも敗退したが、4番打者として相手に脅威を与えるフルスイングを貫いた。

 広島は鈴木誠がポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指しており、同じ右打ちの外野手である末包は後釜の候補。「自分に求められるのは長打力だと思うので、正直、空振りオーケー、三振オーケーくらいの気持ちで、どんどんやっていきたい」と力を込める。今季は主に右翼を守ったが中堅、左翼の経験もあり「ポジションにこだわりはない。試合に出られればどこでもいいです」と、外野の定位置をつかみに行く構えだ。

 高松商では甲子園出場はなく、東洋大時代も「公式戦でホームランは0本。試合に出たり出なかったり」という男が、社会人で右の大砲へと急成長を遂げた。「チャンスはあると思う」と末包。社会人ベストナインのプライドを胸に、プロの舞台へと向かう。(川島 毅洋)

 ◇末包 昇大(すえかね・しょうた)1996年(平8)5月27日生まれ、香川県出身の25歳。高松商では甲子園出場なし。東洋大では3年春からリーグ戦出場。大阪ガスでは入社2年目の20年都市対抗で全国大会デビュー。21年日本選手権で優勝。1メートル88、110キロ。右投げ右打ち。

 《“3冠”河野「来年が勝負」》来秋ドラフトで注目を集めそうな右腕、大阪ガス・河野はベストナインに加え最多勝と最優秀防御率の「3冠」に輝き「点を取られない投手になれるように来年も頑張りたい」と語った。選考対象の4大会で7試合に登板し6勝無敗、防御率0.21。プロ入りへの思いも強く「絶対、プロ野球選手になりたい。来年が勝負。この結果に満足せずに一からやっていきたい」と力を込めた。

 ▼セガサミー須田 大変光栄。都市対抗で優勝を目指していたので悔しい。来年は日本一になりたい。

 ▼三菱重工East久木田 社会人での目標だったのでうれしい。首位打者を獲れたのも自信につながる。

 ▼大阪ガス峰下 2度目のベストナインで、今回はチームを引っ張る立場になっての受賞なのでうれしい。

 ▼東芝吉田 社会人14年目で初めてで光栄。来年はチームとして都市対抗に出場し強い東芝を見せたい。

 ▼セガサミー中川 凄く光栄。都市対抗は4強で終わり、個人でもドラフト指名漏れして悔しい1年だった。

 ▼NTT東日本向山 レベルが高い社会人野球の中で受賞できて光栄。安定した成績を残せた。

 ▼三菱重工East小柳 30歳で横浜に来て、1年でクビになってもいいという覚悟でやった結果。

 ▼大阪ガス三井 来年からの自信につながった。1年目から日本選手権で優勝して、貢献できてうれしい。

続きを表示

この記事のフォト

2021年12月23日のニュース