【沢村賞】選考委員から「由伸一択」に不満の声 堀内委員長「セの投手の成績では選考に値しない」

[ 2021年11月22日 17:00 ]

<山本由伸・沢村賞受賞> 沢村賞の受賞が決まり笑顔の山本
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 沢村栄治氏を記念し、最も優れた先発完投型の本格派投手に贈られる「沢村賞」の選考委員会(堀内恒夫委員長)が22日、都内で開かれ、オリックスの山本由伸投手(23)が初受賞した。

 沢村賞の選考基準は7つ。(1)15勝以上、(2)150奪三振以上、(3)10完投以上、(4)防御率2・50以下、(5)200投球回以上、(6)25登板以上、(7)勝率6割以上。その中で山本は26試合に登板し、18勝5敗、防御率1・39で、勝率.783、206奪三振と5項目でクリア。完投数6、投球回193回2/3は及ばなかったが、全会一致での選出となった。

 山本の突出した成績の一方で、会見に臨んだ選考委員からはセ・リーグの投手への不満が口をついた。堀内委員長は「残念ながらセ・リーグの投手の成績では私は沢村賞を選考するには値しないと思っている。もうちょっとセ・リーグの投手も頑張ってほしいなと思う」と厳しい言葉を投げかけた。

 コロナ禍で、試合も9回打ち切りとなり、早めの継投が増えたことは完投数の激減に拍車をかけた。村田兆治氏は「これは一つは監督の采配、チームの采配ということが非常に多く左右されると思う。過去にないぐらいの完投数が少ない」と指摘。それでも「その中で選手はしっかりと自分のモチベーションを高めて、ファンが一番最後まで頑張っている、つらいところを投げ抜いていく、というところに感動の、夢を与えていると。私自身はそういうふうにこの沢村賞の価値がある、すごく重みのある賞だと思います。山本以外の他の選手に、意識をしっかり変えて。レベルが低すぎるというのも正直、そういうふうに感じます」と語った。

 さらに山田久志氏も「もう少し投手のレベルを全体的に上げて、沢村賞候補がいつも3人、4人と、我々選考委員を困らせるような、そういう投手の出現を切に願って、レベルアップをしていただきたいと思います」と奮起をうながした。

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