中日・与田監督退任で立浪和義氏に来季監督就任要請 地元テレビインタビューに「断る理由ない」

[ 2021年10月13日 05:30 ]

セ・リーグ   中日3ー2ヤクルト ( 2021年10月12日    バンテリンD )

2月の春季キャンプで根尾(右)を指導する立浪和義氏(撮影・椎名 航)
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 中日は12日、与田剛監督(55)の成績不振による辞任の申し出を了承し、球団OBの立浪和義氏(52)に来季監督就任を要請した。シーズン終了後に条件面などを含めた正式要請を行う。与田監督は昨季は強力な投手陣を擁して8年ぶりのAクラスとなる3位に躍進したが、3年契約最終年の今季は打線の不振が深刻で、下位に低迷していた。

 バンテリンドームでヤクルト戦の試合前に取材に応じた加藤宏幸球団代表が与田監督の今季限りでの退任と、立浪氏への来季監督就任要請に至った経緯を説明した。

 「与田監督から思ったような成績を残せそうにないと退任の申し入れがあり、急きょ次の監督の人選をした。今の課題は打つ方。立て直すには春のキャンプで臨時コーチをお願いした立浪さんがいいのではないかという結論になり、今朝、打診をした」

 辞任の申し出があったのは9月末から10月初旬にかけて。一度は保留したが、数日後に了承して後任人事に着手した。

 11年を最後に優勝から遠ざかるチーム再建の切り札として白羽の矢が立った立浪氏は本紙の取材に「朝に球団の方とお会いして話をしました」と話すにとどめたが、受諾は確実とみられる。同代表も「彼はドラゴンズに恩返しをしたいという気持ちが強い。前向きな返答もございました」と好感触を強調した。

 立浪氏は87年ドラフト1位で中日に入団。1年目から遊撃の定位置を獲得し、新人王、ゴールデングラブ賞に輝いた。その後も活躍を続け、03年に通算2000安打を達成。球団最多の通算2480安打、プロ野球記録の通算487二塁打など輝かしい成績を残し、西沢道夫、高木守道に続く3代目「ミスタードラゴンズ」としてファンに愛された。

 09年の現役引退後は野球評論家として活動。指導者としては13年WBCで打撃コーチを務め、今春の中日キャンプでは臨時コーチとして後輩を指導した。

 今後は立浪氏の正式な受託を受け、組閣にも着手していく。甲子園春夏連覇を達成したPL学園時代の同期生で阪神でも豊富な指導経験を持つ片岡篤史氏は要職での入閣が確実。ほかにも投手部門で同学年の落合英二氏、打撃部門で通算2050安打、319本塁打の和田一浩氏らOBの入閣が予想される。

 〇…立浪氏は地元・愛知のテレビのインタビューで早くも再建への意気込みを語った。「まだ残り試合もありますし、私のことであまりザワザワしてもいけない」と気遣いながらも「ようやく来たかなという感じですね。断る理由もないですし、もちろん前向きにこれから考えていきたい」と監督就任に意欲。「とにかく強いチームをつくること。一人でも多くの方に球場に行きたいなと思ってもらえるようなチームを必ずつくりたいと思います」などと話した。

 ◇立浪 和義(たつなみ・かずよし)1969年(昭44)8月19日生まれ、大阪府出身の52歳。PL学園では87年に主将で甲子園春夏連覇。同年ドラフト1位で中日入り。1年目の88年に新人王。03年7月5日の巨人戦で通算2000安打達成。08年から打撃コーチ兼任で09年に引退。通算成績は2586試合、打率.285、171本塁打、1037打点、135盗塁。487二塁打はプロ野球記録。19年にプレーヤー部門で野球殿堂入り。右投げ左打ち。

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